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『TOKYO!』

9年ぶりのレオス・カラックス・・・・・・・。

TOKYO!

3人の監督が東京をテーマに撮ったオムニバス。
しかし、気になるのはレオス・カラックス。

この人って、1980年代後半から10年くらいしか映画を撮っていなくて、その数が4本?

小栗康平よりはマシだけど、どうしちゃったんでしょう?という監督。

ところが、やってくれますよ、レオスちゃん。
たけしのように外す外す。
がっかりしたけど、これもアリかと思い直しました。

ちなみに、レオス君は、ゴジラのテーマとともに、メルド(糞)という怪人話を扱います。
ほとんど、観客を煙に巻いていますが、ちゃんとTOKYOに対するメッセージはあります。
そして、もしかしたら、このメッセージが一番深いかも?
しっかり、東京をバカにしながら、その地下深くに潜むものを描いてしまっています。

最初は、がっくりしましたが、さすが、レオスかもしれません。

メルドが銀座を疾走するシーンは、久々のレオス節。好きな人には見所か?

ビョークなどのMVで有名なミシェル・ゴンドリーのテーマは「居場所」
これもいいですね。
イスになってしまうカフカ、安部公房的テイストは、MV的でありますが、悪くありません。

そして、ポン・ジュノ。
テーマは、「都会的非コミュニケーション」
これが一番、日本人的にわかりやすく、蒼井優もかわいいので、3本の中で最も指示を得られそう。

非常に、うまく東京の断片を切り刻んだ3監督に拍手。
そして、中でも現代史レベルのメッセージを刻んだオフザケテイストのレオス・カラックスに大拍手。

残念なのは、これだけのオムニバス作品に、「東京を描いていない!」などと、ほとんど信じられないようなコメントがWEB上に多いこと。

もう、「あのなー」と申す気力もありません。
これが大衆化ということです。

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