有料メールマガジン『週刊 岡本吏郎』

今週の目次 2016年8月9日 572号

1.TAROの独り言

家族のLINEグループが、『ポケモンGO』で盛り上がっている。

2.コブラツイストは、ツボに効く

■愛おしい

師匠である高橋和尚に会ったばかりの頃、百丈懐海(ひゃくじょう えかい、749年 - 814年)という中国の禅僧のエピソードを聞いたことを記憶している。
その話の中で、印象に残っている一つは次のような話である。


3.まーけ塾レポート(2015年7月開催)

毎週この中から一項目抜粋して掲載します。

  1. 落語ブーム
  2. 人類の大転換
  3. SNSでうつ
  4. 国民年金とギリシア
  5. ダイシン百貨店閉店
  6. テスラの事故
  7. 太平洋セメントで縮小市場を考える
  8. 宗教新聞 再考
  9. 車の市場

4.国民年金とギリシア

ギリシアでは、年金が500ユーロから、いきなり150ユーロになって老人たちが苦労している「そうです。

もちろん、この話は他人事ではありません。
日本の厚生年金も実質的に低年金化が起きています。


4.Q&A

*注意:長文であり、かつネタばれの要素を含んでいます。

岡本さん

映画「雪の轍」を見ました。
なんともいえないもやもやとした気持ちが残りました。
それについて書いていきます。
一番の疑問は、この男がなぜ悪いのか。
もちろん、映画では「悪い」とは直に指摘されてはいません。
彼はもっと幸せになってもよかったのに。
彼自身「何の罪か?」と問いかけます。自分に、妻に。
何の罪なんでしょうか?
生きていくために、食っていくために、お金を得る。
これ自体は、罪ではないと思います。
その方法か?
いや、彼は何か違法な金儲けはしていません。
倫理的に問題が?
いや、倫理というと各文化毎、各人毎に基準が違うので、一概には言えませんが、自分の基準では、彼は非倫理的な、つまりあくどい金儲けはしていないと思います。
では、いったい何の罪が・・・。
村人の困窮は彼の罪なのでしょうか?
妻の危なっかしい慈善活動は彼の罪なのでしょうか?
石を投げられたのは?
確かに、妻をさとしたときに、売り言葉に買い言葉でけんかになり、書類を燃やしてしまったのは悪いと思いますが。
でも、彼がしっかりと働かなかったら、今の生活はなかったのです。
もっとひどいことになっていた。
そう、雨露をしのげる家、食事、出戻りの妹をおいておける余裕なんてなく、貧乏な村人と同じでその日暮らしです。
彼はがんばって金を得ました。
震災時にホテルを被災者ではなくてボランティアに貸したのがいけないことですか?
それも、彼の考えでは震災復興に対しては合理的で目的がありました。
一体、なぜ彼があんな目にあわなくてはならなかったのでしょう。
―――――――――――――――――――――――――――――
村人の困窮は彼の罪です。
妻が危なっかしい慈善活動に足を突っ込んだのも彼の罪です。
彼が子供に石を投げられたのも彼の罪です。
彼がしょぼくれているのも彼の罪です。
すべてが彼のせいです。
―――――――――――――――――――――――――――――
すべてが彼のせいであって、かつ彼のせいではありません。
というのは、現実世界という層では彼に責任はありません。りっぱなホテルと金があり、豊です。困ることはありません。
しかし、もうひとつ別の世界、倫理とかではなくて・・・名状しがたいそういった層では、
彼は手痛いしっぺがえしを受けています。
何かを得る、それが良い方法でも悪い方法でも、その結果、どこかで何かが必ず失われる。
直接的ではなく複雑なので分かりにくいのですが、彼が良かれと思って現実層で何かを得た。それがめぐりめぐって別の層で報いになって帰ってきている。そんな感じを受けました。何かを得るたびに、小さな分岐点を曲ることになり、それを繰り返し繰り返し、たどりついたのがあの荒涼とした景色だったのだと思います。
「こんなつもりではなかったのに」、「じゃ、どうすればよかったんだ」と呟きながら。

最近、妻がフラストレーションを溜めこんでいます(そう見えます)。話をしても、すぐ切れられることが多いです。こちらがはりきったりがんばったりするとさらに不機嫌になります。「俺の何がいけないんだ」、一方「俺が悪いに決まっている」と思いつつ、仕事をしています。こういったことを思い出してしまいました。

最後のシーンで彼がうさぎを撃つのは何を意味しているのでしょうか?
うさぎを殺し得ることが、お金を得る人生を象徴しているのでしょうか。
そして、彼が再び演劇史を書き始めたのは?
彼にとって演劇史は、結局、ここに戻ってくるしかない、誰にも理解されない安楽のそして逃避の世界なのでしょうか。

昔、ベニスの商人を読んで、シャイロックには救いがないことを不満に思いました。
彼は、厳しい境遇を生き抜いて、少なくとも法的には何も悪い事はしていないのに、蔑まれました。

どうしたら彼らには(私も含めて)"救い"は来るのでしょうか?
いや、そもそも"救い"なんて生っちょろいものなんて無くて、こういった苦々しさは懸命に生きてきた男の人生の後半期には、必然のもので、甘受せよということでしょうか?

ここで思うのは、価値観の転換。
支配、コントロール欲求、執着、不寛容、生活の糧、家父長、決断、忍耐という価値観。
一方、被支配、寛容、許し、共感、突き詰めないこと、承認、幅広さ、余裕という価値観。
どこかでこれらの価値観を変容させるturning pointがあった。いくつかあった。
悪くはない以前の価値観を手放し、まだわからない次へと進むポイント。
それをことごとく曲がれなかった。選択というより、気づかないで。
そこに気づき、それができないと、また同じ人生を繰り返すことになる。
ここでしか生きられないか、または、まだ知らない不確実な次で生きるか?
が問われているように感じました。

とりとめもない手紙になってしまいました。
よかったら反応をしてください。
また、しばらくしたらこの映画をもう一度見たいと思います。

それでは。

5.しょせん人の言葉  しかし、気になる言葉

ピーター・ブルック

6.砂漠の中から本を探す

7.TAROの迷い言

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