■向こうからやって来る
どう対処するかというと、待つんです。30秒かもしれないし、10分かもしれません。時間は気にしなくていい。
何も押し込む必要はない、とわかるまで待つんです。
(ジュリアン・ラージ)
昨年1月に行われたジュリアン・ラージの『COTTON CLUB』での ライブは、見ることができませんでした。
彼のことは、昨年の4月4日のブログで少し書きました。
もうずいぶん前になりますが、 「向こうからやって来る感覚」について書いたことがあります。 (どこで書いたか記憶がありません・・・)
確か、こんなことを書きました。
クロールの下手な私に、ある人が教えてくれことがあります。
「自分が泳ごうとするんじゃなくて、ゴールがやって来ると考えるといいですよ・・・」
この方法をジョギングでも応用してみると、 ことのほか順調に走ることができることにも気付きました。
そして、私はすぐに重要なことに気付きました。
日常生活でも一緒だ・・・。
調子のいい時、私は決してガムシャラではありません。
むしろ、アッチから引っ張られている感じになります。
このことを、ジュリアン・ラージはギター演奏のレクチャーで言っているのです。
楽器の演奏でも同様なのだと知って、私は驚きました。
彼の発言を少し引用します(抜粋)。
ギターという楽器を触ったことのない人でも参考になるはずです。
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多くの場合、私たちは音を出すことにばかり気を取られて、 ニュアンスを大切に弾くことを見過ごしてしまっていると 思います。 |
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演奏とは、楽器と手、またはボディとの関係性です。 |
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手は、動かすことと同じくらい、感じることが得意なんです。 |
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最初は、ピッキングとは弦をヒットするものだと思っていました。ギター対あなたという感じです。 |
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ピッキングの最良の先生は、 あなたが弾いているギターだと思います。 |
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あなたがピッキングするのと同じくらい、弦も仕事をしているのです。 |
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弦はそこにあって押すと何かが起こります。
あなたはそれを作動させるんです。 |
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こんな練習をしました。ピックを弦の上に置いて、弾く寸前の気持ちになります。
すると、身体に力が入って、「弾き倒してやるぜ」って感じになります。
いつも気にかけても、「んがっ!」になってしまうんです。 |
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どう対処するかというと、待つんです。
30秒かもしれないし、10分かもしれません。
時間は気にしなくていい。 何も押し込む必要はない、とわかるまで待つんです。 |
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誰もあなたと戦いたいとは思っていません。
弦があなたに弾かれるのを待っています。 |
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あなた自身の力を弱めていって、弦がピックを切って通り抜けていくことを想像します。綱引きのようなものです。
普通は、こう、バーンと打つ感じです。
この野郎!という感じ。そうではなくて、出会い。ピックがよけることで弦が通れるようにする感じだと思います。 |
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ギターから落ちていく、という感じです。 |
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弾くとは、弦をミートするという責任をリリースすることなんです。 |
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気にしないぜ、おっと音が出てきた、という感じ。 |
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出会って、出会って、あきらめる。完全にあきらめる。 |
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あなたの右手の仕事は、完全にギターに頼っているという 微妙な感じです。そして、ギターはあなたに頼っています。
それが50対50になると、1番良い音が出ると思います。 |
彼もこのことに気付くまで、自分の音が嫌だったようです。
「全部の音が同じ感じに聞こえる・・」
「自分のCDを聞いて、ああ、ダカダカとロボットみたいだなと思うことがあります・・・」
それが、「んがっ!」と戦うのをやめてみたら満足のいく音に変わったというのです。
実は、私たちは経験上知っています。
物事が順調に進むときには、対象物との関係性ができていることを・・・。
そして、対象物の方から素晴らしい音を奏でてくれることを・・・。
それを世の中では成功と言います。
蛇足ですが、ジュリアン・ラージの言葉を使って、 私たちの日常を表現してみましょう。
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多くの場合、私たちは「DO」にばかり気を取られて、状況や行動の質を大切にすることを、見過ごしてしまっていると思います。 |
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人生とは、世界と手、またはボディとの関係性です。 |
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手とボディ(全身)は、私です。 |
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手もボディも、動かすことと同じくらい、感じることが得意なんです。 |
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最初は、生きることとは「DO」するものだと思っていました。世界対あなたという感じです。 |
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人生の最良の先生は、あなたが生きている世界だと思います。 |
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あなたが働くのと同じくらい、あなたの環境も動いています。仕事をしています。 |
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世界はそこにあって押すと何かが起こります。
あなたはそれを作動させるんです。 |
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気合いを入れて、行動する寸前の気持ちになります。すると、身体に力が入って、「弾き倒してやるぜ」って感じになります。いつも気にかけても、「んがっ!」になってしまうんです。 |
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どう対処するかというと、待つんです。30秒かもしれないし、10分かもしれません。時間は気にしなくていい。
何も押し込む必要はない、とわかるまで待つんです。 |
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誰もあなたと戦いたいとは思っていません。
世界はあなたと遊ぶのを待っています。 |
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あなた自身の力を弱めていって、世界があなたの身体を通り抜けていくことを想像します。綱引きのようなものです。
普通は、こう、バーンと打つ感じです。
この野郎!という感じ。そうではなくて、出会い。
あなたがよけることで世界が通れるようにする感じだと 思います。 |
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世界から近寄ってくる、という感じです。 |
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生きるとは、世界に働きかけるという責任をリリースすることなんです。 |
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気にしないぜ、おっと何かやってきた、という感じ。 |
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出会って、出会って、あきらめる。完全にあきらめる。 |
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あなたの仕事は、完全に世界に頼っているという微妙な感じです。そして、世界はあなたに頼っています。
それが50対50になると、1番良い何かが現れると思います。 |
前段のギター演奏に関するジュリアン・ラージの言葉を理解できる アマチュアは少ないと思います。
もちろん、頭ではわかると思いますが、 実感するにはある種の経験が必要です。
私がその経験をしたことがあるかはわかりませんが、 入口の体験ならほんの少しあります。
さらに、私の演奏は、彼のこの言葉を聞いただけで、 何か変わってしまいました。
一体世の中の仕組みってどうなっているのか不思議です。
同様に、後段の私の無理矢理改造言葉も、 経験者は「うんうん」とうなずいて、 未経験者は「ほんと?」と言うことになるでしょう。
でも、言葉だけで何かが変わることを経験しちゃいましたから、 とりあえずは、このように表現してみました。
わかってもらわなくてもいいです。読んでもらえれば、それで十分。私には説得する気持ちはありません。何ごとも50対50ですからね。
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