2020年1月28日 第759号

目 次
  1. TAROの独り言
  2. TAROくんの独り言拡大版
    ・・・子どもたち
  3. まーけ塾レポート
    ・・・【第四週】オービックで考える
  4. Q&A
    ・・・ドラッカーを初めて読んだのは?
  5. しょせん人の言葉  しかし、気になる言葉
    ・・・『ニュルンベルクのマイスタージンガー』
  6. 砂漠の中から本を探す
    ・・・『もうすぐいなくなります』
  7. 構造で映画を見る。時々、いいかげんに映画を見る。
    ・・・『i -新聞記者ドキュメント-』
  8. TAROの迷い言
1. TAROの独り言

代官山を歩いていたら、会ったことのあるような人物に出くわす。
向こうもおかしな顔をしている。

あいつは誰だ?

(TAROの迷い言へ続く)

目次に戻る
2. TAROくんの独り言拡大版

子どもたち

私は、今、人口減を味わっています。

うたげの後・・・・・・・とも言いましょうか。
世界はここまで違うものか・・と感じます。

大げさ?

いやいや、きっと、こうなのです。

・・・・・・・

2019年12月27日。
まずは、1人目が現れました。
この1人が、わが家へ帰郷した時、私たちは1人増えたことを
喜ぶだけで、それほどの変化を感じてはいませんでした。

しかし、翌日に、もう1人が帰郷。
さらに、翌々日に、3人目が帰郷。
ここから画期的に景色が変化をはじめます。
なにもかもが、どんどん減っていくのです。

居間にあった1箱のミカン。
それは、もう何日も居間に置いてあるものでした。
でも、彼らが現れると3日で無くなってしまいました。

残ったミカンの箱は、薪ストーブのたき付けとして数日活躍。
そして、何もかもが消滅。
ほんの少し居間は広くなりました。

イナゴの大群が押し寄せたかのような・・・。
そんな表現は大げさでもなんでもない。そう思いました。

ご飯だって、炊いても炊いても無くなっていく。
冷蔵庫に冷やしてあった缶ビールやチューハイも1日で消費され、
賞味期限をすぎたヨーグルトや納豆もどんどん消滅していきます。

おそらく、かつての日本もこんなだったのでしょう。
私の幼少の頃は、高度成長期の真っただ中でしたから、
どんどん消費されていくのが普通。
地方のテレビ局は、1つだったものが4つになり、
空き地にお店ができ、田んぼが道になり、
マクドナルドがやってきて・・・・・・。

欲しい物はたくさんあって、それでも新しい物がいろいろ現れて。
どんどん物が現れても不足感はあって。
欲しいオートバイや自転車のパーツを毎日雑誌で眺めて。
宅配はないから、駅まで荷物を取りに行って。
・・・・・・・・・・

それが普通で、そんなことはいつまでも続いて、欲しい物が
この世から無くなってしまう・・とは思ってもいませんでした。
だから、1箱のみかんがあっという間に無くなる様は、
とても懐かしく思えました。

それは、ここ数年、毎年見る景色だったはずなのですが、
夫婦ふたりだけの生活が、どんどん消費を減らしていったからなのか、人口減を肌で感じるようになったのか、その両方のせいなのか、はたまた全く別の理由なのか・・。
とにかく、今年は、現れた3人の消費力に目を見張りました。

・・・・・

食べるだけ食べて、飲むだけ飲んで。
ついでに、好きなことを言いたい放題言って。
そして、3人は「じゃーね!」と言って去っていきました。

すごい消費量。
さらに、労働量。
彼らは、ただ食べるだけではなく、よく働いてもくれました。
もはや、大掃除や料理の主役も若い彼ら。
彼らの労働があってはじめて正月を迎えられると思いました。

その消費力であり労働力の源が、わが家を去った後には、
炊きすぎたご飯が大量。
妻は、「あーあー、炊きすぎちゃった・・」とため息。
「今日は、残りご飯でチャーハンね!」と言われつつ、
何日チャーハンが続くのかな・・などと考えてしまいました。

おそらく、私たちが、現場で経験していることは、こんなことです。
みんな、残ったご飯で、チャーハンを作っているのです。
千曲川の河川敷などに代表されるヤバい場所が
平気で宅地になったのも、ご飯を炊きすぎたからだと思います。

高度成長期は、ワクワクしたことと思います。
炊いたご飯が、どんどん減るのですからたまりません。
でも、ある時、そのご飯の減りが止まる。
そして、捨てるにわけにもいかずに別のものを調理する。

でも、チャーハンを食べる口は2つ。
それも若者ほどの量は食べられません。
チャーハンにする・・というごまかしも、1回限り。
2度目はありません。
次の日は、雑炊。その次は・・・とバリエーションでごまかしていても、飽きてきます。やっぱり、炊きたての白いご飯が一番。
だから、一度に炊く量はそれほど多くはありません。

・・・・・・

意外にも、私たち2人はすぐに2人の生活に慣れました。
いつもやっていることですから、当たり前です。
でも、それが当たり前になるには、
いくらかの時間が必要だったはずです。
私たちは、その間の苦労を忘れてしまいました。
でも、少しずつ慣れていったのだと思います。

人口減の社会の景色がどんなものなのかは、あまりピンときません。
しかし、子どもたちが去った後のわが家の景色は、
そんな景色の一つの断片のように見えます。

それは、「たまに、1人がいいなー」という世界から、
「たまには、みんなと一緒がいいなー」というものなのかも?・・と妄想しながら、それも悪くない。いや、むしろ、そっちの方が、
大事なものを本当に大事にできるかもな・・と思いました。


目次に戻る
3. まーけ塾レポート

【第四週】オービックで考える

オービックが好調です。
25期連続の増益。

最近、私の保有株の一部をヒソヒソと披露したりしていますが、
この会社なんて、私のような者が好む典型のひとつです。

・売上減をいとわない
・客に来てもらう
・外注に頼らない
という3つの原則が成長の要因とされています。

ある店舗展開をしているお客さまが、
パートが集まらないと嘆くので、私は言いました。
「もう、パートが簡単に集まる時代じゃない。おたくの店舗展開の
必要条件はもう風前の灯。それなのに、いつまでお客さんの時間に
こっちが合わせるつもりでいるの?」

そして、こちらの時間に、お客さんから集まってもらう
ビジネスモデルに変えることを提案しました。

・売上減をいとわない
を実践すれば、すぐにでも取り組み可能。
そして、
・客に来てもらう
ができれば、経営の効率はおのずと上がります。

オービックだって、オカモトだってやってるんだから、
すぐに走れーー!!って思いますが、
「業種が違う・・・」という抵抗はすぐにはなくならないので、
もう少し時間がかかっちゃうかな?(笑)


 

目次に戻る
4. Q&A

Q.

現在大学に通う学生で、
授業で教授の話を聞き、今年ドラッカーを読もうと思っています。
岡本先生が初めてドラッカーを読んだのは、いつ頃で、
最初に読んだ時はどのような感想をお持ちになりましたか?

A.

ご質問ありがとうございます。

大学生ですね。
大学の授業に、ドラッカーマニアな感じの教授がいて、
彼があまりに熱心なので、本格的に興味を持ちました。

・・と書いて思い出しましたが、
小林秀雄は、高校の先生にファンがいて、ハーバート・サイモンは、大学の先生に研究熱心な人がいて、感化されて好きになりましたね。
なるほどー。そうだったのかーと自己発見です。

私が、ドラッカーを知った頃は、『イノベーションと企業家精神』の発刊前でしたから、まずは、60年代のドラッカーを追いかける形になって、そこに『イノベーションと企業家精神』が現れ、
さらに『新しい現実』が・・という感じで、
実に充実したドラッカー・ライフを過ごすことができました。
新刊で出た『新しい現実』を実家の布団の中で、
ワクワクして読んだシーンなんかは目に浮かびます。

なお、ドラッカーの最初の印象は、ただ「読みやすい!」でした。
内容よりも、そっちが先。
だって、翻訳本って読みづらいのが多かったですからね。

読みやすさの理由は、翻訳の上田さんの力だとずっと思っていましたが、原書を読んだら、ドラッカーの英語が実にいいんですよね。
上田さんは単純に直訳しているだけで、「なんだー」と思いました。

私は知的な好奇心が先行して、ドラッカーの書いたものが
どれも面白く感じましたが、これは個人差があると思います。
やはり、ドラッカーは、現実の生活と重ねて読むことで効力が絶大になりますから、『経営者の条件』をスタートに、
実生活とリンクさせてじっくり読むといいと思いますね。

目次に戻る
5. しょせん人の言葉  しかし、気になる言葉

妄想だ!
妄想だ!
至るところに妄想が!

ニュルンベルクのマイスタージンガー


物質に恵まれていて、適当なものにすぐ頼れる現代は、困った時に、妙な妄想で行動しやすいんだよな。

・・ということを、風邪をこじらせて知る。
寝ているしかないのだよ。

目次に戻る
6. 砂漠の中から本を探す

『もうすぐいなくなります:絶滅の生物学』

もうすぐいなくなります

池田清彦(著)
新潮社

絶滅の生物学・・という副題。
地球上に現れた生物の99%はすでに絶滅・・という事実に、
不思議な安心感を覚えるのはなんでか?(個人的にですけど・・)

今の人間のやりようを見てたら「仕方ないなー」と思えちゃう。
そして、絶滅って、とても身近・・ってことを知ってしまうと、
まー、壊せばいいんじゃないーみたいな気分も当然かもしれない。

「絶滅」と「進化」は裏表。
この事実の確認も重要だ。
このことは、私たちの人生でも働いているわけで、
そこをあらためて認識する。

でも、それ以上に、
やっぱり、人類は滅びるのだ・・ってしみじみ味わったりする。
絶滅しなきゃ、進化はない。
進化をすれば絶滅はくる。それでいいのだぁ!

目次に戻る
7. 構造で映画を見る。時々、いいかげんに映画を見る。
i -新聞記者ドキュメント-

『i 新聞記者ドキュメント』問題作であり、ヒット作の『新聞記者』の
モデルである、望月衣塑子に森達也が密着。
他の森作品ほどの感動はないけど、安倍内閣の本質を赤裸々に暴露していると思う。

私たちは、2012年から、
こんな連中に政権を任せているのね。
菅と望月のやり取りは、実に面白い。
菅は、望月に立腹し、あのような態度をとっているわけだけど、
彼は、どうして腹を立てることになったのかを全く理解していない。
あんなのが政権を担っている。これはヤバイと思う。
半分冗談だけど、当社の『特別セミナー』に来ればいいのにと
思った。
そうすりゃ、菅は起きていることの本質が分かるはずだ。

しかし、そんなことはないから、この政権は、
自らの醜い姿を世間という鏡で眺めながら、
どこかで大失速をやらかすことになるのだろう。
それは、ざまーみろ!でいいけれど、
そんな彼らの後に運営を任せられる人たちがいない。
この国に、真の復活は訪れるのだろうか?

ところで、籠池夫妻がいい。
あの人たち、めちゃくちゃだけど、人は良さそうだ。
そして、彼らも犠牲者。

当初は、「キャッチコピー政権」というネーミングがお似合いだった安倍政権は、もはや、そんなところはない。
彼らはどこに向かうのだろうか?

追伸
「i」というタイトルが深い。


目次に戻る
8. TAROの迷い言

(TAROの独り言のつづき)

ところで・・・・・・。
久しぶりに、うまい蕎麦屋を見つけた。
お気に入りの渋谷の店がなくなってしまったので、
うれしいかぎりだ。

ただし、味はいいけど、店員のデブがダメだ。
あのヤローが首になればいいんだが・・と思う。

そうだ!!!!!
あの代官山で出会ったアイツは、あのデブではないか・・。

急激に、蕎麦屋に行きたくなくなってきた。
また別の店を探そう。


目次に戻る
このページを閉じる