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『犬猫』 8mm版

ニュースレターなどで、アンチ・モンタージュの筆頭として話題にすることの多い『犬猫』8mm版のDVDをこの間発見!(知らなくてすいません・・)

そこで、今回は『犬猫』8mm版に少々触れます。

井口奈己という監督は、一言で印象を言うと“過剰”な監督。
従来の映画のセオリーを過剰なまでに排除しているところが心地よい。

しかし、この映画で、レオン・カラックスに対する愛情だけは、これまた異常なほどに見せている。

きっと、ゴダールの『勝手にしやがれ』を初めて見た当時の人々の驚きは、カラックスの『汚れた血』での驚きよりも、この映画でのヨーコが走るシーンを見てカラックスを感じたときの方が近いと思う(この文章がわからない方は、ぜひとも3本とも見てみましょう(順番は、『勝手?』『汚れた?』『犬猫』の順です)。

こういう映画は、あまり内容に触れると操作的になるので、触れません。
確か2001年のぴあ映画フェスティバルで賞も取っていて、都内映画館でレイトショーで長くかかっていたようです。

2004年くらいに有名女優を使った35mm版でリメイクもされています。当然ですが、完成度はリメイク版の勝ちです。でも、8mm版には、“当たり前”を排除した痕跡、荒々しい息吹があってお勧めです。

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