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(1)みんなで貧乏を選ぶか?格差社会を選ぶか?

2009年7月のまーけ塾は下記の通り行いました。
毎週この中から一項目抜粋して掲載します。

  1. みんなで貧乏を選ぶか?格差社会を選ぶか?
  2. 本人比(笑)
  3. 決定版!人格障害者対応
  4. 古典ブームがやってきた
  5. 公務員=貧乏キャンペーン
  6. ダン・ケネディーの最近のDM
  7. 健康コーポレーションのツキはどこまで続くか?
  8. ハンニバルの原則
  9. 今もある植民地
  10. イオン・グループの経理統合

(1)みんなで貧乏を選ぶか?格差社会を選ぶか?

ペルーとエクアドルに行ってきました。

ちなみに、ガラパゴスはエクアドルにあります。
ガラパゴスには3日ほどいて、バックパッカー的リゾートを楽しんできました。

旅は、高度3800m~0mを行き来し、気温の差も凄かったので9人のうち6人がなんらかの体調不良になる過酷な旅でした。

それはそれとして、
今回の旅で、ペルーとエクアドルを縦断できたのはよかったです。
こんな縦断の旅をすることはないと思いますので、日程自体はアホですが、ある面、価値があったということでしょう。

この2国は対照的な国です。

ペルーは、人口2900万人。
農業国で、観光以外に外貨獲得方法があまりない国です。

エクアドルは、人口1300万人。
石油依存度が50%の国です。

どちらが豊かと言えば、言うまでもありません。
圧倒的にエクアドルです。

エクアドルは、多くの車が走り、ポップミュージックも流れるラテンの国。
これに対して、ペルーは、車も古く、今でもフォルクローレが流れる国であり、インカ帝国に対する郷愁も残る国です。

そもそも、条件が同じならば、人口が少ない国の方が、国民全体が豊かになる可能性が高いですが、さらに、エクアドルの方が石油が出るのですから勝負になりません。

しかし、
エクアドルには、貧民街があり、小さな子どもが働いているのに、ペルーではそういうものを見かけることはありませんでした(ペルーを先に旅したので、こういうものの存在を確認できなかったこともあると思います)。

国全体では、エクアドルの方が豊かですが、貧富の差も激しいのです。
これは、なかなか示唆深い現実です。

日本に当てはめてみましょう。

日本は、人口1億3000万人の国です。
人口1億人以上の国は、世界で11カ国。
非常に大きな内需を持つ国々です。

私たちが、ある程度、幸せに暮らせるのは、この日本の内需力にあります。

しかし、同時に、この国がみんなで幸せになるのは無理です。
これだけ人口が多ければ当然です。

ところが、戦後の日本には神風が吹き、それが可能になりました。貿易立国として、1億人が食べられる稼ぎをし続けたのです。

でも、それも終わりました。
バブルのおかげで、余韻は続いていましたが、最早、同様の神風が吹くことは難しい状況にあります。

しかし、そんな日本を見ながら、ペルーとエクアドルを見ると、
次の構造が見えてきます。

みんなが貧乏だけど、格差を無くすか、
豊さを目指すけど、格差は受け入れるか

この選択の途上にあるのが日本だと思うのです。

もちろん、今まで以上の付加価値を生産する道はありますが、根本的な議論は、ここからしか始まらないと思います。

なお、私たち中小企業は、
この1億という内需を味方にしていくだけです。
いくらでもやり方はある・・と思っています。

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