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「財産としての空間」の時代の終わり

2010年12月のまーけ塾は下記の通り行いました。
毎週この中から一項目抜粋して掲載します。

  1. 行動経済学で考える当たり前のこと
  2. 百年企業の創業期
  3. ポール・クルーグマンを眺めていましょう
  4. トランジション・タウンがテイクオフ?
  5. 「財産としての空間」の時代の終わり
  6. 某有名"時の人"の今後は、波高し
  7. 鎌倉シャツのクリティカル・コア
  8. 腹巻きブーム
  9. "マイナス5歳"という言葉
  10. トイカメラが流行るなんて
  11. ダイレクトメールを忘れちゃいけない

「財産としての空間」の時代の終わり

雑誌の名前は忘れましたが、
都市が自壊し、村がよみがえるという内容の記事を
建築家の方が書かれているものがありました。

私たちは、終戦を契機に、
「空間を金に替えるシステム」を確立し、
資本主義の進行を進めてきました。

しかし、そうして作られた都市は自壊していき、
再び、村社会の時代がはじまるというのです。

社会が建築を作るのには、動機があるとし、
その動機は、空間の商品化だったと喝破。

持ち家信仰という虚構が
人々の不安を消滅させ、
衰退した宗教の代用品となったために、
誰もが、ためらうことなく住宅ローンを契約し、
家を建てたと書いています。

そして、中には、商品化された空間を転売し
利益を生み出す人もいました。

しかし、今、
その虚構はくずれ、
都市の空間を財産と信じてきた人々が、
時代から置き去りにされようとしている
として、文章は結ばれています。

「置き去り」というテーマは、
映画『ゲゲゲの女房』も、
昭和30年代の話を
21世紀の空間で語ることによって
炙り出したテーマですが、
これからの時代のキーワードになるはずです。

置き去り感が時代の中で、
おおいなるイタズラをする時代のはじまりです。

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