【ビジネス万有引力の法則】

2004/02/17(火) 04:28

細胞分裂を繰り返す。それが世の中の姿なのさ。

-ビジネス万有引力の法則(4)-

今回はトップ1%にあげた原稿を再掲することから始めよう。

ありがたいことに、私の「会社にお金が残らない本当の理由」が売れている。

こういう硬派のお金の話で約6万部。それも発売から二ヶ月の間の出来事。年末は刷 りが追いつかなくて品切れ続出。
これは硬派お金本は始まって以来のことだと思う。
確かに仕掛けはしたけれど、仕掛けで売れるのは、せいぜい2?3万部ぐらいまで。
そこから先は自分でもわけがわからない。

ただ、うまくいったから大きい声で言えるけど、実は狙い通りだった。
何が狙い通りだったか・・・。

少し、個人的なビジネスのやり方について語りたい。
私のビジネスのやり方は10年来変わっていない。
どういうやり方かを一言で言えば、「コア・ビジネス」である。

このトップ1%のメンバーの優秀なお仲間たちは、私のポジショニングを基準にすると「マス・マーケット」である。(あくまでも、「私を基準とすると」と言う意味。マーケット自体がマス・マーケットではないから、彼らがマスのわけではない。)

私個人は、こういった優秀なお仲間とつき合わせてもらいながらも、いつも「コア・マーケット」を意識している。(つまり、「コア」の中の「コア」と言うこと)

だから、相棒の平さんがビートルズなら、私はXTCである。
もう一人の相棒 佐藤さんがクラプトンなら、私はガイ・バン・デューサーである。

きっと、日本では、ガイ・バン・デューサーというギタリストを知っている人なんか京都の「プー横町」界隈の人達ぐらいだろう。こういう「コア・コア」なのを比較的意識している。

そして、ありがたいことに日本のマーケットは成熟したので、こういう「コア・コア」がビジネスとして成り立つようになった。
そこで、優秀なお仲間達とおつきあいが始まった折りにも、サッサと「コア」ポジジョンに向かって行ったわけである。

話を私の本のことに戻そう。

本を出すときに私が考えたことは一つ。「新しい市場を作りたい。」ということである。
その方がロングセラーになる可能性は高い。
すでにある市場を相手にしても後発には不利である。がんばってもソコソコしか売れない。

だから、「すきま」を狙って、新ジャンルを作ってしまおうと考えたわけだ。「言葉にしちゃうと陳腐だな~」と思うけど、そういうことなのである。
ただ、こういう理屈は誰もが分かっている。

問題は、どうやったら「スキマ」を「市場」にできるかということだ。
単に、流行の反対を考えるとか、お客のニーズをさぐるといったやり方で「スキマ」を見つけたとしても、それが市場になるかは難しい。

実際に、「コア」ビジネスで貧乏をやっている人は多い。
「スキマ」にも食えない「スキマ」と食える「スキマ」があるわけだ。
では、食える「スキマ」はどうやって見つけるか?

これは実は簡単。
「大きい市場」の「スキマ」を探すだけ・・・。
何だか、また当たり前のことを言ってしまった・・。

でも、そうなのである。
いつも大きい市場に焦点を合わせる。これが全てなのだ。
そういう市場なら、やり方次第では、もう一つの市場を作ることが可能だ。

昔、ユーゴスラビアという国があった。今は、いくつかに分かれてしまった。

昔、ハプスブルグ王朝なんてのがあった。でも、のん気な皇太子が、理想的なことばかり言ってるうちに、いくつもの国に分かれてしまった。

物事は細分化する。
これは地球上の原則である。

大きな市場の分割はたくさんのビジネス・チャンスがある。
パンをちぎって食べるような感覚だ。

そして、不思議にもその細分化された市場や分野は、単独で次の成長を始める。

そして、時に大きな市場を形作ることがある。
その連続運動というのが個人的な理解である。

そして、だから「コア」はおもしろい。単なる趣味の「コア」ではない。それは進化の一つの形なのだ。

大きなものは決してそのまま大きなものではいない。
膨らんでいるものは必ず分化して別の市場を作る。
この分化に手を貸すことが有効な一番大きな理由は、正規分布曲線のカーブがきつくなることだ。

これについては、別項で書かなくてはいけないが、母集団Nの数と正規分布曲線の標準偏差の間には逆相関の関係がある。簡単に言ってしまえば、母集団Nが小さい方が儲かるのだ。(ただし、長続きはしない。)

ただ、問題は小さい市場ではお客集めが大変だ。
だから、大きな市場を分割してしまうのがいいのである。

今回言ってることは、当たり前のことで、知らない人はいない。
でも、それがどういう理の中にあるかを知る人は少ない・・。

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