日: 2016年10月26日
【TAROの日記】

2016/10/26(水) 11:22

昨年の映画『イマジン』は、驚愕するほどに音の素晴らしい映画だった。
『攻殻機動隊』のアライズ・シリーズの4本も音が良かった。あれはコーネリアスの新譜だと思った。しかし、なぜかアライズシリーズは最終の劇場版はイマイチだった(なぜ?)。

ところで、話題のアニメの音がひどい。
途中までの脚本に感動しつつ、音には興ざめだ。その音をやったバンドの主題歌は売れているらしいが、私のようなおじさんには何も言うことはない。もちろん、この映画のラストにもずっこけた。しかし、私の感想よりも世間の評価である。

その話題のアニメの後ろで、ジワジワと売れているアニメの音がいい。
あのアニメはラストも、素晴らしい。
音の「間」のセンスに驚きつつ、最後に『臨済録』になったと思った。

でぇ、某話題作の音がさらにいい。
映画館の設備が良いからか音の分離も良くて、普通は邪魔になる強引なBGMも心地よい。
まー、しかし、この映画の主役は何気ない音だ。
あらゆる道具立てが完璧なうえに、この音なのだからたまらない。

日本人は音に鈍感だった。
その証拠に、スキー場や海岸では大音量の音楽が流れる。
若い頃、私はあの音が嫌で、今で言うバックカントリーに逃げ込んだものだが、音は、どこまでも追いかけてくる。

しかし、話題のアニメの音の悪さを余所に、音の良いものが増えてきたように思う。
特定の周波数が強調された音がそこら中でなっている景色は、終わる・・・のではないかと思う。
もちろん、すぐではないけれど、少しずつ変わっていく兆しを感じる。

資本主義は、音を悪くした。
いろいろと音を改革した功績もあるけれど、全体としては環境をずいぶん騒々しくしてくれた。

でも、その資本主義の曲がり角で、音も変わりつつあるように思える。
そして、映画の鑑賞要素として、音はもっともっと重要になってくるじゃないだろうか・・?

・・って書いていたら、蜷川の『四谷怪談』を思い出した。
鈴木慶一がやった音の演出って素敵だったよな。

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