未分類

第3世代の苦悩

中小の旅館・ホテル業は、現在、第3世代が格闘中にある。
第1世代(おじいちゃん)が、環境に恵まれ暴走して拡大。
それを継いだ第2世代(おとうさん)は、環境変化の中で赤字経営を余儀なくされる。
さらに、それを継いだ第3世代が、その負の財産を背負いつつ格闘している。
・・・というのが大雑把な景色だ。

引き継いだ負債は、ほぼ例外なく悲惨なもの。
しかし、資産はそれぞれ。
ここで第3世代の明暗は分かれる。
もちろん、能力の違いは大きくある(がここでは触れない)。

なんとか土俵際に残った第3世代の一つの方向は、
老朽化した建物をなんとか見栄えをよくして、料理の内容を向上させる・・という型。

でも、どんなに見栄えを良くし、センスアップしても「ハリボテ」である。
予算が限られえているから仕方ないけど、お客からは「ハリボテ」が見えてしまう。
一生懸命やっているので、料理が標準以上だと好感度は高い。「悪くないな・・」とは十分に思う。

ただし、ハリボテはハリボテだ。
その割には、結構な料金が設定されているところが難点。
話題になっている宿は多いが長く続くのかが疑問だ・・。

『里山十帖』の影響からか、ミシュラン・シェフなどを招聘し本格的な料理で勝負するところもある。今、旅行好きが選んで訪れるのは、この方向の旅館・ホテル。予約困難店が多い。

最近、そんなところの一つに泊まった。
第1世代が残した立派な建物が圧巻!
良質な資産のリノベーションはハリボテ感が少ない(残念ながらちょっとある)。
そして、料理も素晴らしかった。

・・けど。
私たち一般人は、すでにこうした宿にも泊まり慣れはじめている。
だから、水準を超えたレベルの料理だけでは満足はしない。
料金だって1泊10万円を超えるのだから・・。

「なにが足りないのだろう?」と思った。
そして、銀座の予約困難店の主人の顔が浮かんで思いついた。
スペシューム光線級のスペシャリティがないのだ。
私たちがもう一度訪問する理由。それがしっかり打ち込まれていないのだ。
だから、私たちは「良かったよ」と心から思いつつも、次の話題の施設へと心を向ける。

第3世代の格闘は続く・・・・・・・(と思った)。

2022年4月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
ページトップヘ