ホーム > 『アーカイブズ』 > 『出版』 > 『ついでに、すべての本を総括』

3ついでに、すべての本を総括

は、本1冊の印税で暮らしていけたそうです。
でも、今ではそんなことは不可能。
そりゃ、仕方がありません。

出版は、時代へ迎合することに腐心しすぎたために、今ではゴミの量産機。
もちろん、ちゃんとした本もありますから、その全ては否定するつもりも
ありませんが、1年も持たないような本(特にビジネス書)が大半です。

「自分の本は、そんなことはない!」と声を大にして言いたいところですが、
とてもそんなことは言えません(お恥ずかしい話です・・)。

しかし、大上段に「今のような本作りでは・・・」なんて言ってみても仕方がありません。
そして、どんな本だって、それぞれにいいところはあるものです。

そこで、『良書3.5冊』に入れなかった私の本について、著者自信が、2020年時点での総括を試みます。

『会社にお金が残らない本当の理由』 amazon

『会社にお金が残らない本当の理由』(2003年12月 フォレスト出版 本体 1,500円+税

この本は売れました。
確か15万部くらい・・・。
出版当時は、「会計本の世界を変えた・・」なんて言われていましたし、
フォロー本も何冊か現れました。

私は、初めてのビジネス書を書くにあたって、当時ブームになっていた
『あなたの会社が90日で儲かる』の構造が、たまたまなのか、意図的なのかは
わかりませんが、『禁煙セラピー』の構造ともまったく同じであることを利用
しました。
つまり、この2冊の構造に、私の言いたいことを載せるということを試みました。

この本は、次のようにはじまります。

************************************

はじめに

「まずはキャッシュで1億円を作る」
社員数で5名ほどの中小企業・・というか零細企業に私が最初に言う目標です。

「零細企業にそんなことができるのか?」とあなたは思うかもしれません。
しかし、会社経営をしているのなら、それぐらいは当たり前です。

*******************************************

お暇でしたら、この書き出しが、
『あなたの会社が90日で儲かる』と『禁煙セラピー』の書き出しと同じであること、
そして、その後の展開も途中までは同じであることを確認してみてください。

ところで、この本の内容です。
私は書き終わった当初、この本が嫌いでした。
読者のレベルを少し下げて書いたために、 脱稿した後の気分はあまり良くありませんでした。

しかし、時間が経って改めて見てみると、これはこれでアリだと思います。
それに、当時専門家の誰もが口にしなかったことを私が初めて本に書いたという自負があります。
そういう点で、しっかり「世に問う」ことをやっている。
そして、専門家の間でも少しアヤフヤだった企業経営に対する会計側からの答えを、素人にもわかりやすく、
しっかり言い切っています。

当時の税制が前提に書かれているため、今では使えない部分もありますが、90%以上が今でも有効です。

この本は、兵站(=お金)に関するセオリーを書いたものです。
“中小企業のお金を残す”というテーマを直球で投げさせていただいたこの本は、売れたおかげでたくさん感想もいただきました。
特に、当時の私の提案を実行することで、
「内部留保を充実させ、その後の不況期を乗り越えることができた」という声は今でもいただくことがあります。

んーー、この本は、『良書3.5冊』に入れて『良書4.5冊』って言ってもいいかも?
税務の部分がなければ、声を大にして、「読み続けられて欲しい」と言えるんですけどね・・・・・。

『マネするマーケティング』 amazon

『マネするマーケティング』(2004年2月 あさ出版 本体 1,400円+税

この本は、実にオカモトらしい本です。
当時のビジネス書ブームにのっかって、“ナンチャッテ”をやらかしているフリして、
ブームに蹴りを入れてますね・・(笑)。

なにせ、この本は一ヶ月くらいでチャチャと書いて、その後、見ることもなし。
さらに、タイトルがタイトルだけに、当時の私の真意を、その後の私が誤解。
とにかく、遠ざけていましたね。

でも、改めて眺めてみると、やらかしています。
だいたい、【はじめに】がいいですよね。

「では、これから“マネの技術”を学んでいきましょう」と言っておいて、

************************************

そして、あなたは私がウソつきだということを知ることになります。
「マネするマーケティングをしなさいと言いながら、
マネをするなと言ってるじゃないか」と・・・・・・。
そう。世の中には、そんなおいしい話はないのです。

もし、そんなことを言い張る人がいたら、それは詐欺師です。
私は詐欺師になりたくないので最初に言っておきます。
「入り口」では、「マネするマーケティング」を説明します。
しかし、「出口」は小手先ではないということを・・・・・・。

あなたが、先にタネを明かしてしまった詐欺師もどきの誠意が少しでもわかるようでしたら、
この本の次のぺージを開いてみてください。

*******************************************

しかし、この本での、私の書きっぷりやネタにしていることは、かなり時代に迎合しています。
これはとても嫌です。辛いです。
この後、「構造」と「複雑系」を軸にした本格的なマーケティング本を書くつもりでいたので、
この本は“ナンチャッテ”に始終した感じですね。

それで、「構造」と「複雑系」を軸にした本格的なマーケティング本なんですけど、
もう当時の軽い雰囲気が嫌で嫌で、結局書くのはやめました。
そもそも、他人に、本当においしい話なんてする必要がないわけで、特に、マーケティングとか戦略の類は、
秘中の秘のど真ん中です。
書くだけアホらしいです。

・・・というわけで、書き出したときには、いろいろ、構想はあったのですが、我に返ったらアホらしくなって、
今に至ります。
おかげで、この本は宙ぶらりん。
かわいそうな奴です。

「悪かった」とこの本に謝るしかないですね。
まー、しかし、2作目というのは、こういう運命にあるものです。

私の頭も3冊目は絶対ヒットさせないといけないので、3冊目でいっぱいでした・・。

『裏帳簿のススメ』 amazon

『裏帳簿のススメ』(2004年6月 アスコム 本体 1,500円+税

1冊目がベストセラーになってしまったことで、
3冊目は考えなければいけなくなってしまいました。
2冊目で肩の力を抜いて、3冊目で勝負。
いわゆる『いとしのエリー』の型ですね。

そこで、1冊目で使った『裏帳簿のススメ』という小見出しを
本のタイトルにしてしまえば、そこそこ売れるだろうと考えました。

某女性評論家が、
本をベストセラーにするのは計算してできると豪語していましたが、
私のような凡人はそんなことはできません。
また、過去の検証から、ベストセラーには法則がないことがわかっています。
ですから、ヒットの保証はありません。
それでも、「まー、そこそこ売れるだろう・・」という気分は
アイデアが出た段階でありました。

問題はタイトルです。
『裏帳簿のススメ』というのは、あまりにも怪しすぎます。

そこで、内容は、堅くしました。
とてもマジメな内容です。

また、マジメな文体ながらリズムを犠牲にしないように、
まずは「です。ます。」ですべての文章を書き、
何回かの校正の後、文章全部を断定調の文体に変えました。
このやり方は、手間はかかりますが、すごく有効に感じました。

本は、本人の予測を超えて、あっという間にベストセラー。
10万部までの足はとても早かったです。
しかし、足が早いというのは、失速も早いということで、
半年ほどの勢いが嘘のように その後は沈静化しました。

この本は、タイトルで誤解されがちですが、ちゃんと「世に問う仕事」がなされています。
ほとんど専門家が言ってこなかった盲点をしっかりと言葉にしましたし、
移動年計に代表されるテクニックを一般に定着させたのもこの本だと思います。

笑ったのは、この本の後追いで『脱税のススメ』という本が出版されたことでした。
この本の内容がどんなものかわかりませんが、やっぱり一緒にはされたくないと思いました。

・・・ということで、3冊目のヒット狙いゆえに、タイトルで勝負した感はありますが、
「世に問う」ということを考えれば、このタイトルしかなかったと今でも思っています。

『成功はどこからやってくるのか?』 amazon

『成功はどこからやってくるのか?』(2004年11月 フォレスト出版 本体 1,400円+税

この本は、押切もえさんが入院中に読んで、その後雑誌で紹介してくれました。
私は、「押切もえって誰?」とか言っていましたが、
その後、若い女性からメールの相談とかが来るようになり、
なんだかおかしな世界に踏み込んでしまったな・・と感じることもありました。

ところで、この本、いわゆる自己啓発本です。
今度は、成功法則とか自己啓発にケリを入れてやろーという企みです。

この4つ目までは、私の中ではケリ4部作とでも言いましょうか?

  • ・会計と税制
  • ・経営手法の一部
  • ・マーケティングの一部
  • ・成功法則

世の中に、流布しているこうした知識に、実務家としてケリを入れたかった。
そんな個人の思いが、この4冊を書かせたのだと思います。

そして、4部作最終となるこの本は、未熟な部分もありますが、
今でも大好きな本です。
だいたい、「この本は、著者が読者の成功を本当に願って書いた初めての成功本です」なんて言いっぷり。
よくやるよなーとは思いますが、まずは巷間に流布する本の著者にケリを入れないでいられなかったのでしょうね(笑)。

さらに、内容です。
アメリカ成功法則のパクリや亜流の類ばかりのジャンルで、異彩を十分放っていると思います。
ポランニーは出てくるは、「二念を継がない」という禅の教えは出てくるは、
「紙に目標は書くな!」と言い切るは・・・・・・・。。

この本の惜しいところは、読者の想定を低めにしたために、無意識の説明が稚拙になったことを筆頭にいろいろありますが、
当時の時代背景を考えれば、この本も十分に「世に問う」ができたとは思っています。

総括

久しぶりに、初期4作を眺めてみました。
自分で言うのもなんですが、悪くはないです。
2冊目以外の3冊は、時代に合わせたチューニングをちょっとすれば、このまま新刊で通用すると思います。
(2冊目だって、一気にウンチクを入れ込めば、良い本になると思います)

この頃は、初々しいエネルギーで執筆ということに取り組んでいたのでしょうね。
文体のレベルをどれくらいにするかを常に悩んでいた記憶がありますし、読みやすくしすぎた・・という
心残りの気分はあるのですが、それでも、この時は、これでよかったのだと思います。

そうですね。
この4冊は、機会があれば書き直したいものです。
書き直す場合、それぞれをどんなコンセプトにするか。
それを考えるだけで楽しいですね。

『お金の現実』 amazon

『お金の現実』(2005年4月 ダイヤモンド社 本体 1,600円+税

この本は、初期4部作が終わったので、次のステージのための
中継ぎ的な感覚で書きました。
初期作の余韻がありますので、この本もケリを入れています。
そこで自称「アンチ・マネー本のマネー本」。

当時、スピリチュアル、ニューエイジ的なお金本が大流行。
そして、安易なノウハウ本も相変わらず氾濫していました。
そうしたものに対する反感も含めて、“伝統的保守主義”の立場に立ちつつ、
軽いノリで読める本を目指しました。

お金のことなんて、偉そうに今生きている人間が結論的に書けるはずはないので、
あくまでも“私”というお金にうるさい人間がどういう仮説を立てて、
どう行動しているかをエピソードを交えて書いたつもりです。

そして、この本だけでは、結論にならない・・。

そのことを言いたくて、同時に『裏・お金の現実』を自費出版しました。

なお、伝統的保守主義の代表として、この本では、本多静六を引用しました。
この本がきっかけで、本多静六の著作3冊が再発されています。
そして、1冊目『私の財産告白』の解説は、私が書いています。
今読んでも好きな文章です。 (『私の財産告白』の解説はこちら )

他の2冊は他の方が解説をされています。
そちらと読み比べていただくと、私のスタンスが明快になると思います。

『裏・お金の現実』 amazon

『裏・お金の現実』(2005年5月 ビジネスサポートあうん 本体 1,600円+税

自費出版ですけど、1万冊刷ってほぼ売れました。
紀伊国屋新宿店の店頭にだけ並んだのですが、
それも配本した分はきっちり売れたと記憶しています。

『お金の現実』が8万冊ですから、それを考えれば1万冊なんて・・という考え方もできなくはありませんが、そもそもが著者が遊びでやらかしていることに、
世間様がそれほど優しいわけはない・・と思っていたので、驚きでした。

2冊の本は、
本多静六・安田善次郎の『お金の現実』(以下「表本」)
是川銀蔵・鮎川義介の『裏・お金の現実』(以下「裏本」)
と表現できると思います。

表本は、伝統的保守主義の立場から書いたと同時に、私の実践の書です。

対して裏本は、表本を裏側から検証してみる試みです。
その道具として、是川銀蔵や鮎川義介に登場してもらいました。
同時に、お金について根源的な考察をしたり
私が批判的なスピリチュアルな話も調味料として入れ込みました。
自費出版なので、比較的自由に好きなことを書いたエッセイ集です。

『サラリーマンのためのお金サバイバル術』 amazon

『サラリーマンのためのお金サバイバル術』(2009年11月 朝日新聞出版 本体 740円+税

『お金の現実』の4年後、間に5冊の本を挟んで出版されました。

【まえがき】が、10年後の今のご時世にあっていて笑えます。

**********************************

この本は、お金のサバイバルの本です。

日本はおかしな国です。
社会保障が整備されているのに、サバイバルをしなくては
生きることができない国なのですから・・・。
それどころか、毎月の高額な社会保険料が、私たちの生活の足を引っ張り、
サバイバルの選択肢を減らしている可能性もあります。

しかし、一番の問題は、この日本というサバイバルが必要な国で、
多くの人がサバイバルを考えていないことです。
ジャングルで裸でいるような状態のまま多くの人が毎日を
過ごしているのです。

*******************************************

表本、裏本がエッセイだったのに対して、この本は具体的です。
2009年時点で書かれているため、具体的に書かれた商品が選択肢になるかは微妙ですが、
この本からサバイバルのための基本構造は十分に読み取れるはずです。

なお、この本では、私が基本的な考え方を若い時に手に入れて、それを愚直に実践していく流れも見ていただけます。
途中の挫折についても書いてありますのでリアルです。

【まえがき】からもう少し抜粋します。

*******************************************

・・・・・

朝日新書編集部から、
「サラリーマン向けに運用の本を書いて欲しい」と依頼をいただいたのは
リーマンショックが起きる半年前(2008年春)のことでした。
私は依頼に対して次のように答えました。
「サラリーマンには、最近の本に書かれているような運用なんて勧められませんよ。
銀行にお金を預けるよりも運用の方が良いという時代の雰囲気もありますが、
ナンセンスな話ですね」
つまり、そんな本は書けないといろいろ説明しつつお断りしました。
しかし、「その岡本さんの考えを書いてくださいよ」と言われれば、逃げ場を失います。
そこで、書くことになったのが、この本です。

*******************************************

そんなわけで、たまたまですが、この本にてお金本3部作となりました。
それも、この本は実践編になっています。
ですから、当初、執筆に気が進まなかった私ですが、今は書かせていただいてありがたかった・・と思っています。

総括

お金本に関しては、本多静六の『私の財産告白』 に尽きます。

ですから、私の表本、裏本は、あくまでも、先人の智慧を実践した報告書をあーでもない、こーでもない・・と
書いただけのものと言えるでしょう。

しかし、当時、話題になったように、子供に税金をかけることを筆頭に、先人がやらなかった工夫や思考錯誤は、
これらの本でご紹介できたと思います。

また、サラリーマン本では、王道の運用方法を具体的に書けたと思います。
また、「金持ちならば、生命保険はいらない」という当たり前のことを確認して、そこから運用法などを考えていく手法は、
世の中で誰も言っていなかったように思います。

そういう点で、これらの本も、先人たちの隙間を縫って、少しは「世に問う」ができたのではないかと思っています。

そして、これらの本は、成人した子どもたちに読ませたいと思います。
今現在、そのように自分が思えている。
・・ということは、これらの本は書いてよかったのです。おそらく・・・・・・。

(3) 出版社に振り回された6冊

出版社に振り回されて出してしまった6冊です。

・書く必然性のないままに、対談したり、書いてもらったりして出来上ちゃったもの。
・良い内容だったのですが、編集者にダメにされたと感じているもの。
・既刊本の出し直し。
の3つにほぼ分けられます。

『なぜ、あなたの会社は儲からないのか?』 amazon

『なぜ、あなたの会社は儲からないのか?』(2005年10月 アスコム 本体 1,500円+税

この本は、『裏帳簿のススメ』のバカ売れを喜んだ出版社が、
「すぐに次の本を!」と要望してきたことで企画がはじまります。

ただ、「すぐに次の本!」と言われても、私は別の本を書いていましたし、
そもそもが実務家ですから、日常の仕事で忙しい。

そこで、出版社が「オカモトに質問する会」を企画。
軽食付きのわけのわからない会に、100名くらいがお見えになったと思います。
そして、参加者の質問に答えた内容で本を作っていきました。

そんな作り方ですから、私に「世に問う」ものはありません。
今、改めて、本を見てみても、何の記憶も蘇らない・・・・・・・。

細かく内容を見てみれば、悪い本ではない。
お役に立てるものはあると思います。
でも、こういう本には、著者自身にコンセプトがありませんから、いけませんね。

書いた私にすべての責任はありますけれど、
当時の私には、こういう本を断る・・という智慧がありませんでした。
まだ、若かったんですね・・。

『会社の数字がカラダでわかる!』 amazon

『会社の数字がカラダでわかる!』(2006年6月 幻冬舎 本体 1,300円+税

この本は不幸です。
なんで、こんな本になっちゃったんだろう・・・・・・・・。
本当に悲しくなります。

この本は、会計を肴に書いた身体論です。
かなり、真面目な本で、内容は実に地味です。

ところが、本の装丁、デザインは、真逆のマンガで粧飾されている・・・。
果たして、編集者は、この本を読んだのでしょうか・・・・・?

本当に、この本は残念な本です。

昔、ある場所で、年配のご婦人が近づいてこられて、私に言いました。
「私は、あの本が大好きですよ」

そのご婦人の言い方に、「お気の毒にねー」の香りがあったことを忘れません。

【追記】
この仕事で、私は幻冬舎嫌いになりました。
その幻冬舎が、数年後、自費出版ビジネスをはじめます。
そして、私にも「自費出版しませんか」と案内してきました。

私は、「御社から本を出しているんですよ・・」という事実は伏せて、言いました。
「仕事にでも困ったら、お願いすることもあるかもね・・・」

『稼ぐ超思考法』 amazon

『稼ぐ超思考法』(2007年11月 フォレスト出版 本体 1,300円+税

フォレスト出版で書いた前2冊が、いずれも好調だった流れで、
書かされましたーという本です。

あとがきにもありますが、私はそろそろビジネス書の枠を卒業し、
ちゃんとした本を書きたいと思っていました。
そして、企画もいくつか持っていました。
その企画の一つをきれいに捨てて、
“なんちゃんて”な本を書いてしまった・・・というのがこの本の経過です。
私の中に、「売れればいい」という気分があったのだと思います。
大反省ですね。

この本も、結構、売れました。
きっと著者買いをしていただいたのだと思います。
また、企画自体も悪いものではないと思います。

しかし、もっと本格的にやるべきでした。
どうして、こんなポップな本にしてしまったのか・・・・・。

世の中では、突飛なことはほぼ起こりません。
もし、突飛なことが起きたように見えたなら、それは自分の準備不足です。
未来は、当たり前が重なって粛々と進みます。
ですから、この本でもテーマにしていることを知っていれば、それほど驚くことは起こりません。
ある種の思考実験が有効なのはそのためですし、その思考はそのまま戦略やマーケティングでも有効です。

あー、あ、ちゃんとそういう本を時間をかけて書くべきでした。
この本の内容は、その幻の本の紹介小冊子みたいなものですね。残念です・・。

『世界一利益に直結する「ウラ」経営学』 amazon

『世界一利益に直結する「ウラ」経営学』(2008年7月 アスコム 本体 1,400円+税

この本には、感謝ですね。
日垣隆さんと対談させていただいたうえに、印税まで入ってくる・・というのは
ナニカ間違っているな~と当時は思いました。

私たちの対談を本にしてくれたライターさんも優秀。
私は今まで出会ったライターさんで、「良い仕事をするなー」と思った人は
二人だけ。
もうおひとりは雑誌のライターさんでした。

対談の良いところは、重要な内容がさりげなく抽出されていることで、
この本も例外ではありません。
どうしても散らかる傾向はありますが、ちゃんと自分の身に置いて
考えて読んでいただければ、おいしい情報はポロポロと落ちていると思います。

ですから、この本の内容を軸に、系統立てた内容を取り込み、
一部で本の内容をコラムとして加えたら、面白い本になるかもしれませんね。

この本は、後に文庫本にもなりました(タイトル『楽しく稼ぐ本 [だいわ文庫])

『伝説のキャバ嬢コンサルタント舞ちゃんの世界一楽しい社長の教科書』 amazon

『伝説のキャバ嬢コンサルタント舞ちゃんの世界一楽しい社長の教科書』(2010年5月 アスコム 本体 1,400円+税

『SMAP×SMAP』や『とんねるずのみなさんのおかげでした』の
構成を担当していた安達元一さんが、私の本などから、
キャバ嬢コンサルタントの話を創作した本です。
当時、この手の本が流行り、ベストセラー『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』なんかもそういうものの一つです。

しかし、それだけの本でしかありません。
人間関係とはいえ、どうして、こういう本の企画に乗ったのか?

おそらく、放送作家という人の仕事が見てみたい・・とういうのが原点だったと
思います。
そして、その仕事の早さ、知識には驚かされましたが、それだけだったですね。

できたら、なかったことにしてもらいたい・・・というのが本音の本です。

『儲かる会社の社長の条件』 amazon

『儲かる会社の社長の条件』(2007年9月 アスコム 本体 1,400円+税

株式会社武蔵野の小山昇社長が、出版社のアスコムに
「岡本さんとの対談で作るなら出してもいい」という条件が出されて
作られた本だと聞いています。
小山社長に、その理由を聞こうとしつつ聞きそびれて今日に至っています。

対談は、楽しかったですが、2回の対談のどちらも、私が聞き役。
小山社長がお一人でお話になっています。
ですから、対談中は、編集者が気の毒で、気の毒で・・(笑)。

でも、ちゃんと本にしちゃうんですよね。
小山社長が話した内容でも、
私が「そうそう」と言っているところは、私が言ったことにしたりして、
対談本として仕上げちゃうのですからびっくりしました。

そんなわけで、私にはなんの愛着もない本です。ごめんなさい。

総括

新人歌手がプロダクションに振り回されて疲弊していく・・という話は聞きますが、
それはどこでも一緒だと思いました。
それも、本人も売れたいとどこかで思っていますから、どんどん乗せられてしまいます。
当時は、某大手芸能プロダクションとのマネジメント契約の話も出ていましたし異常だったと思います。
(マネジメント契約はお断りましました)

しかし、日垣隆さんや小山社長と出会えたのも、こんな流れが起きたからで、良い面もあったと今では思っています。

(4) 再販・図解の5冊

再販、図解ものは次の5冊です。

  • 『図解 会社にお金が残らない本当の理由』(2006年10月 フォレスト出版 本体 1,400円+税amazon
  • 『会社にお金が残らない本当の理由(新書版)』(2010年1月 フォレスト出版 本体900円+税amazon
  • 『図解 裏帳簿のススメ』(2005年2月 アスコム 本体 1,200円+税amazon
  • 『あなたの会社にお金を残す 岡本式「戦略帳簿」のススメ』
    (2010年5月 SBクリエイティブ 本体 760円+税amazon
  • 『楽しく稼ぐ本』(2010年8月 大和書房 本体 648円+税amazon

再発ものですから、コメントは何もありません。
できたなら、出さなきゃよかった・・という反省だけです。