2004/01/27(火) 06:33
週刊ダイヤモンド2003年12月6日号にハンス・オフトの戦術について斉藤孝さんが解説をしていた。
ハンス・オフトとはあのサッカー日本代表の監督だった人である。
この解説で斉藤さんは、
「ハンス・オフトのすごさは、現有戦力のレベルに合わせた戦術を選んだこと」と言っている。
そして、「彼の戦術は決して独創的でも最先端のものでもなかった。だが、当時の日本代表チームのレベルを考えれば、きわめて適正だった」と言っている。
この記事を読んで頭が熱くなった。クラクラきた。
コンサルをしていると、時々ついてこれない人に出会う。
私は、こういう人に出会うと、「困ったな~」と思う。
こちらがあまり熱くなると、さらについてこれなくなるから、ヒョウヒョウとやるようにしているが、時々、熱が入ってしまう。
ところが、オフトは違う。
レベルに合った戦術を選ぶというのだ。
私ばかりではなく、コンサルタントは一般的にこういうことが得意ではないと思う。その人のレベルに合わせるようにしていては、どうしてもスピードが遅くなるからだ。
しかし、その人のレベルに合わせるということに意識を向けることは大事だと思う。 たとえ、やることが同じであっても、意識するか意識しないかではアプローチが変わってくる。
そういう点で、このオフトの記事はやられた・・と思った。
ビジネスには誰でも参入できてしまう。
実は、参入してくる人たちの中には、参入するキップを持っていないと思える人もいるのだが、とにかく誰でも参入してきてしまう。
だから、単純にオフトの話と比べることはできない。
しかし、コンサルのような仕事をしている人間が、カリキュラムのようなものを持っていたらどんなに良いかとも思った。
実は、この話はもっと深いところでも起きている。
自分の社内のスタッフの実力と戦略があっているかという話である。 これも反省すべき点がある。
私の会社に関して言えば、すでに人事ロジスティックスはかなり機能不全に入るかに見える。あまりにも補給線を伸ばしすぎて、やっとの思いで戦線を維持している感じである。
補給は計画的に行ってはいるが、現場のスピードに追いつけない。
この点、理屈ではわかっているが、どうしてもできない。ところがオフトは偉い。ちゃんと、自己を押さえてやっている。
スタッフに対するストレッチは絶対に必要だ。でも、オフト的視点も必要だ。そんなことを考えていたら、経営という奥の深い「芸術」が巨人に見えた。
きっと、大きな巨人と戦っている。それが経営だ。
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