【TAROの日記】

2017/09/28(木) 08:56

磯野波平54歳

『サザエさん』の磯野波平は54歳だそうである。               私の1歳年下なのだ。

『レンタルおじさん』が密かに流行っているそうだ。メインのプレイヤーは定年後にやることがない暇なおじさん。話を聞いて欲しい若い女性に人気なのだそうだ。

50年代に書かれたマンガの波平さんはまだ現役で働いている(退職まで1年)。このシチュエーションは80年代くらいまでは通用したように思える。

『レンタルおじさん』は、仕事がない。だから、安価なレンタルに勤しんでいる。波平さんの時代なら余生ということになるが、今のおじさんたちは働けなければならない。

その差はお金の問題と金利の問題もあるだろうけど、それだけではない。時間が余って仕方がないのだ。

では、波平さんの時代の人たちはどうだったのだろうか?            当時、私は生まれていないし、70年代、80年代もまだ子供の類。あまりよくわからない。でも、当時のおじいさん達(きっと、今の私と変わらない年齢だったのだろうな~)を思い出してみると、みんな何かをやっていたと記憶している。

隣のおじいさんは、いつも畑をしていた。小学校の時には、算数を教えてもらったことがある。隣の隣のおじいさんは、竹細工を作っていて、5歳くらいの私はそのおじいさんのところによく遊びに行った。さらに、そのとなりのおじいさんには、イタズラをしてよく怒られた。威勢のいいおじいさんだった。斜め向かいのおじいさんは、帽子をかぶって毎日市場に出かけていった。話した記憶はないが、息子(・・といってもお父さん)を引き連れてさっそうと歩いていた。向かいのおじいさんは割烹の経営者だったと思われる。いつも庭木に水をやっていた・・・・・・・・。

昔も、おじいさんはたくさんいた。古き日本では身近な存在で、子供には景色の一部だった。私の記憶の彼らは、波平に近く、『レンタルおじさん』から遠い。おじいさんの概念もずいぶん変わってしまったようである。

55歳オカモトシロウは、今も現役で、引退する兆しはない。おそらく、『レンタルおじさん』はやらないし、竹細工もやらない。そもそも、本人の意識は、青年の延長にあって、「磯野波平54歳」という言葉の羅列には、違和感さえ感じない。

でも、磯野波平は54歳で、私は55歳だ。

今の私には、この言葉の意味さえわからない。

 

 

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