
私たちは、「冒険しないではいられない生き物」です。
もう一度言います。
私たちは、「冒険しないではいられない生き物」です。
しかし、その私たちのその特性は失われつつあります。
なぜか?
それは、探求をやめてしまっているからです。
この国は、うるさすぎます。忙しすぎます。
そして、私たちを冷静にさせてくれません。
そこで、ネパールで思いっきり、古代ローマ人のマネをしてやろーというのが、今回のテーマです。
ローマ帝国の人たちは、「仕事(ネゴティウム」と「余暇(オティウム)」という概念を考えました。
私たち現代人からすると、当たり前のことのようですが、それ以前はこういう区分はなかったのです。
しかし、彼らの言う「余暇(オウティウム)」とは、私たちの考える「余暇」とは違います。
彼らは、「余暇(オウティウム)」を“自省”に使ったのです。
哲人皇帝と言われたマルクス・アウレリウス(ローマ皇帝)は、
日中は、ドナウ川の最前線で軍隊を指揮し、夜の一人の時間には、
『自省録』を執筆していました。
彼は、指揮はラテン語で、執筆はギリシア語で行いました。
一日を性質の違う2つに明確に分けて生きたのです。
過去に2度行った『モンゴル・ワークショップ』との違いはここです。
今回は、“トレッキング”と“ワークショップ”という2つの要素を絡めて、
モンゴルとは違った効果を狙っています。
“トレッキング”と言うと躊躇する方もいると思いますが、
サポート体制は万全ですからまったく心配はいりません。
いつでもリタイア可能な安全なサポート体制のうえで、
少しだけ体力的な挑戦をしてみると考えていただければ結構です。
また、体力的な挑戦などと書きましたが、それほどの挑戦ではありません。
軽いハイキングとお考えいただければいいでしょう。
そして、その“トレッキング”によって、“ワークショップ”を
より効果的に行います。頭と身体の両方に利くことを目指します。
私たちは、今、急いでシステムからの離脱を考えなくてはならなくなっています。
システムはあらゆるものを取り込みます。
時代のパイオニアたちが行った冒険もすべてシステムに取り込まれ、
私たちが小さいながらも行った冒険も自分自身の中のシステムに取り込み、
空白部はどんどん狭まっています。
しかし、そのシステムは賞味期限が切れたまま、ゾンビのように生きています。
私たちは、システムに取り込まれつつ、そのシステムがゾンビ化したことに
気づきながら、日常を生きている・・・・・・。
まー、ぶっちゃけ、ヤバイところにいるのです。
そこで、システムから脱出を図り、「冒険しないではいられない」を取り戻す。
それを早急にしなくてはなりません。
神々の山の峰を歩きつつ、広大な景色を背景にまずはシステムを相対化します。
それがすべてのはじまりです。
T・S・エリオットが言うところの「すべての探求を終えた後、初めて出発点を知る」です。
システムの相対化さえできれば、後は早い作業です。
それを遠い国で、自分の足を使った軽い旅を続けながら行います。
ご興味のある方は、ぜひともご参加ください。