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こちらは【第2回】のレポートとなります。

『戦略セミナー2020』 【第2回】「北朝鮮を見習え!“ゲーム理論”入門」

北朝鮮の問題が旬だったため、急遽、
第2回は『ゲーム理論』を繰り上げて行いました。
セミナーを行った2018年は、
北朝鮮との緊張が緩和するというムードで、新しく現れる北朝鮮という市場に対する期待を語るコンサルタントもいました。

しかし、『ゲーム理論』から考えると、そんなことは悪い冗談です。
そのことを交渉ゲームから考えていき、北朝鮮問題の予測なども
行いました。

基本的な内容は、おおくの書物にも書かれている『ゲーム理論』の
お話でしかありません。
しかし、『ゲーム理論』を中小企業が戦略を行っていくうえでの
ツールとして見ていくと、専門書などに書かれていない姿が
現れてきます。

また、戦っているゲームのルールが変更になることは、
よくあることです。
ところが、これに気づかずに同じ戦略をやり続けたり、
同じ価値観のままでゲームを続けてしまう例をよく見ます。
こういったケースをどのように見抜くかは、
絶対に知っておくべき知識です。

中小企業にとって「ミニマックス戦略」は特に大事です。
そこで具体例を見ながら・・・・・・・・

・・・・・・・・と、『ゲーム理論』を材料にして、
中小企業が戦略において重点的に行うべきことと
交渉ゲームのコツなどを中心に、『ゲーム理論』の基本を
徹底的に学んでいただきました。

岡本吏郎

ご参加いただいた方の声を一部ご紹介いたします

ゲーム理論に関しては、聞いたことはありましたがあまり関心を持てず、
ほとんど知識を持っていませんでした。
講座で聞く一つ一つの内容が刺激的で、すぐにやらなければいけないことが10項目以上思いつきました。
最後の交渉メソッドも損失を見積もるところから入るとか、びっくりです。
そしてとても実践的だと感じました。
来年の戦略セミナーも楽しみにしています。
素晴らしいセミナーをありがとうございました。

玉川 一郎 様

■ゲームが変われば戦略は変わる。
「もうすでにゲームは変わっている。ゲームが変わっているにもかかわらず、以前のゲームのルールのまま、
みなさんは戦っている。まずは、みなさんがもつその意識を変えたい」(先生 談)。

セミナー中、何度もそう言う先生の話を聞きながら、
まさにルールが変わっていることの理解がないまま、自分が仕事をしていることを痛感した。
いや、ゲームは変わっていないと無意識に思いたかったのかもしれない。

現在行っている仕事において、すべての問題の解を、
いままでにやっていたマーケティングに求めてしまっていた。
ホームページの広告やセールスレター、出向する広告の媒体。
これらの変数をいじれば、以前のように問題が解決するという思考の枠から、
どうしてもはずれることができない自分がいた。

15年近く前の実践会で学んだ方法論を試した経験が、相当大きいのであろう。
「魔法の鍵」がどこかにあって、それを見つければ、
この現状をひっくり返す方法があるのではないかと考えてしまう。
それはきっと過去にうまくいったことにおける執着からであろう。

ゲームが変わっているにもかかわらず、過去うまくいった手法に執着する自分は、
まさに先生が言うところの、相手を見ることなく、
自己都合が優先した自分の打ちたい手を打つ「子供の将棋」を、ここ数年やっていたと感じた。
どおりで、最近マーケティングの話を先生としても会話がかみあわないわけでる。

■未来は過去の原因となる。
ゴールからさかのぼって考える。
そこからいろいろな手段を、ツリー状にして考える。
そもそも自分はいままで、「ゴール」の設定をして仕事を行っていただろうか?
ただ、売上や顧客数の数値の減少ということだけに、感情的になって右往左往しているだけではなかったか。

最近も自分の会社の売上が減少する中、同業者の決算書をとりよせて、単純にその会社の経常利益を見て、
感情的に行動を決めていた(ライバルよりも多く儲けるという感情は意味がない[先生 談])。
しかし、売上減少も、先生に相談しながら、
現状の状況に合わせた打ち手をとったうえでの結果である(=高付加価値の追求)。
時間が経過する中で、その選択をした「前提」を、すっ飛ばして考えていた。
そのことをセミナーを聞きながら、強く思った。

■絶対優位戦略
「商売においては、高付加価値を目指すしかない」、
「会社としてコストに強くならなければならない」、
「管理という守りを固めることこそ、企業経営の要である」。

これらは、先生から以前の戦略セミナーで卓越企業の条件として教えられたことであった。
自分はこれらのことは、昔の経営者が実践してきた結果からの教えであると考えていた。
別の見方として「ゲーム理論」という数式の積み重ねからも、ゆらがない事実である、
と言う点は個人的に大きな学びであった。

これらのことを積み重ねたうえでの自社の絶対優位の戦略とはなにか?
これを考えたとき、いままで築いてきた既存のお客さまとの関係性を深めることこそが、
自社における絶対優位の戦略であるということを、あらためて思った。

このことについても、先生に教えていただくまでは手法論のひとつとしてとらえていた。
手法論としてとらえるから、次に浮かぶ思考は、
「どのような紙のDMをお客さまに送ることが有効か」というような質問になってしまう。

そうしたことではなく、自社における絶対優位の戦略ということからとらえれば、
直接会うことはじめ、すべてを多面的に見て、統合して考えなければならないということを、
あらためて考えるにいたった。

■ミニマックス戦略
常にいままでの自分の行動は、他社を「攻める」という観点からしかなかった。
たとえば、自社のサイトを模倣したサイトを見つけるたびに、自分が本来得るべき成果を、
他人に盗られている気がしていた。

しかし、ミニマックス戦略における、
「最大損失を一番少なくする」、
「損をしないように考える。得点を得ようとしない。損失のほうから先に考える」
という思考は、わかっているようで実際にはもっていなかった。
優先するのは、常に自分の感情である。そうした感情には意味がない。

■交渉
個人的に今回のセミナーで、このことがもっとも学びが大きかった。
自分の経験において、最初の就職先として建築資材商社に勤務した。
ここでは工務店につとめる人間がお客さまであった。

この工務店のお客さまとの交渉が、おもな仕事であった。
たとえば、商業施設が新設されるなどの現場があるたびに、
工務店の営業から自分の携帯に電話がかかってくる。
その工務店の営業からの電話は、
「今回、Aという現場で、商品(床タイルなど)を、○○平米分発注しなければならない。特値を出せ」
という内容である。

そのたびに、メーカーの担当者に連絡をして、値段交渉をする。
その価格に対して、自社の利益を上乗せして、工務店のお客さまに回答するのだが、
提示する価格がとおることはまずない。

価格を提示した工務店の営業マンからは、
「高いやろがぁっ!そんな価格で買えるわけないやろぅがぁ!!もっとメーカーと交渉せえやぁぁああ!!」
という怒号が返ってくることが常であった。

しかし、メーカーにおいて価格交渉をする商社は、わたしのところだけでない。
他の商社も他工務店より依頼をうけ、メーカーに見積依頼をかけている。
そうしたなかメーカーは、見積もり依頼をかけてきたどの会社に対しても同じ価格を提示する。
そのため、当時のわたしとしては、自社の利益をどれだけ削って見積価格を提示するかということになる。

ただ、メーカーは、前段階として建設予定の施設において自社商品が選ばれるよう、
メーカーの営業が設計士の先生(=デザイナー)に営業活動をかけている。
彼らは彼らで、建設予定施設の図面に自社商品の品番が書きこまれるよう、尽力しているわけである。
そうした活動がみのり、その施設の建設時において、自社商品のオーダーが来ているわけである。
そもそも価格をディスカウントする必要もない。

そのため、わたしが、メーカーにどれだけ頼み込んでも、見積価格を下げてくれるわけもない。
当時は、原価に2~3%ほどを乗せて当時のお客さまに価格提示していた。
それで高いと言われれば、原価を下回る価格で見積もりを出すことになる。

当然そうしたことは、会社として上司が承認するわけもなかった。
逆に上司からは
「他社より高い価格を提示して、それをお客さまに納得させるのが君の仕事だろう」
と言われていた。
工務店の営業に再度見積もり価格を提示しても、さらに大きな声と圧力で
「なめたことぬかすなぁぁああああ!もっと、メーカーと交渉せいやぁぁあああああ!」
という返事が返ってくる。

上記の経験があったなか、自分の利益と他人の利益がおりあわない交渉において、
わたしが当時の工務店のお客さまから無意識に学習した方法論は、以下である。

  • 自分の主張をのまない相手に、より大きな声で自分の主張をとなえる。
  • 事情を把握していない相手が一度言った言質をもって、ゴリ押しする。
    (例:「前にそう言っただろう」)
  • 言葉尻をとらえて自分の有利なように解釈して、それを押し通す。
  • 暴力における威圧を強める(直接的ではなく、圧迫的威圧)。

上記のことをもって自分の主張を押し通すというものであった。
(当時は、暴力的威圧に耐える力を養う必要があると考え、空手道場に行ったりもした)

しかし、当然このような方法で交渉事がうまくすすむわけはない。
今考えれば当然で、自分と相手のパワーポジションを考えることなく、こんなことをしてもムダである。

また、自分自身の感情としては、交渉において、
上記のような方法論で自分の主張を押し通すということに、大きな抵抗があった。
それをする自分は、自身の尊厳を汚しているような気がしていた。
こうした過去の経験から、今の歳になっても、他者と交渉することに、どこか苦手意識があった。

また、わたしは二代目であり、先生をはじめ初代経営者の方と接するなか、
初代経営者の方々は、そうした交渉にたけているようにわたしには見えた。
そうした力を自分もつけようと「自分の意思を押し通す交渉術」などの本を読んだり、
交渉術のDVDを見たりして、いわゆる「交渉力」をつけようとしたりもした。

しかし今回の先生の話を聞いて、わたしは初手から最後まで、交渉の考え方を間違えていたことに気づいた。
わたしがいままでとらえていた交渉というのは、子どものころに見たテレビドラマのように、
いかに自分の要望を100%相手にのませることが交渉だととらえていた。
その方法論をずっと探していたのである。

今回のセミナーに参加するまで、自分の要望を100%相手にのませるためには、
どうすればいいのかという質問しかなく、常に魔術のような解決策を探していた。

これは交渉だけではなく、その他の仕事においても同じである。
今回教えていただいた今回の交渉における50%の満足度におけるゴール設定は、どうなるか、
という思考をもって、準備と思考を重ね、交渉に立ち向かうということなど、したこともなかった。

交渉というゲームにおいては、“勝つ”ことが目的である。
自分の感情を優先させることではない。そういったことを考えることもなく、
自分は直面する交渉において、「子どもの将棋」であたっていることに気づいた。

あらためて、交渉において必要なことは、先生に教えていただいた以下のことである。

  • ・ゲームにおいて、なにを勝利として設定するか(決して金銭が勝利目標となるわけではない)。
  • ・0% VS 100%でやりがちであるが、どう調整すればよいかを考えるのが、本来の戦い。
  • ・相手の認識を利用したり変えたりすること。相手の動きを予測すること。

これらのことをふまえて、相手と状況をよく観察し、深く考え準備することであるという、
当たり前の答えに帰結した。

今回のセミナーは、あらためて、交渉ということに対して学び、
自分の過去から現在まで積み残してきた課題に直面できる気がした。

追伸:
今回の戦略セミナーにおける先生の戦略セミナー(ゲーム理論)内容は、おこがましいですが、
すべてわたしのために先生が用意してくれたのかと感じるほど、今のわたしには必要な知識でした。

ほんとうにありがとうございました。

土居珈琲 土居 陽介 様

『戦略セミナー2020』は、全8回を予定しています。

できるならば、1年に2回ずつ開催しようと考えています。
8回の内容は次のとおりです。

第1回
「中小企業の戦略は、穴を埋めると見えてくる」
第2回
「北朝鮮を見習え! “ゲーム理論”入門」
第3回
「ポーター再読」
第4回
「企業経営をシステム思考で考える」
第5回
「軍事戦略から考える」
第6回
「中小企業戦略再読」
第7回
「ケーススタディーを考える」
第8回
「100年戦略を思考してみる」

『戦略セミナー 2020』 開催概要

【第2回】「北朝鮮を見習え!“ゲーム理論”入門」

日程

2018年9月13日(木) 11:00~17:00

会場
KFC Hall&Rooms
参加費
58,000円(税抜)