【ビジネス万有引力の法則】

2004/02/03(火) 04:02

「体質を維持することのお話」

ある税理士さんから「新春特別セミナー」の案内が来た。
テーマは「儲かる企業にするために今何をすべきか」

「フムフム、それで今何をすればいいの?」
と心の中で思いながら続きを読んだ・・。

「・・・・(中略)そして、国はその改善策の一つとして助成金・補助金・融資など様々な施策・・・(中略)・・・これらを有効に活用することを・・」

何と、このおじさんは「儲かる企業にするために助成金や補助金をもらいなさい」と言っている。
まぁ、こりゃ文章の間違いだね。
まさか正気でそんなことを考えているわけはない。
(仮に考えているとしたら、早くこういう税理士とは縁を切らなくてはいけない。)

ただ、この税理士さんの言うことには、企業をダメにする根本的な考えがある。

それは「寄生意識」。そして、その意識からできてしまう「寄生体質」

この意識ほど会社や人間をダメにするものはない。

私は助成金をもらって、会社が発展した例を知らない。
確かに明治時代の起業家や大企業が、そういうものから発展した事実はある。

しかし、彼らは、すでにある助成金をもらうために自分を合わせるのではない。 国が頼んでくるので、「では、」と言って出した条件であったり、国家の施策として、企業側から提案して政策になるものがほとんどだ。

農家なんて悲惨なものだ。
この「寄生意識」が取れない。
すべては助成金が先で、やることは後。
ソバの転作で助成金と言われれば、ソバを作る。
ダイズの転作で助成金が出ると言えば、ダイズを作る。
こういうものを奴隷と言わずに何というか?

子供には依存心がある。
子供は一人では生きられないから、大人への依存心は当たり前だ。
うちの長女は今11歳。
そろそろ、依存心が取れる時期にさしかかっている。
現在、親としてどう対処すべきか勉強中。
なぜなら、大人なのに依存心が取れない人が世の中に溢れているからだ。

この依存心(=「寄生意識」)を利用した助成金ビジネスがある。
そういうビジネスをする人は、それがビジネス。
それを批判する気はまったくない。
「これからもお客様のために助成金・補助金をもらってあげて、そこから手数料を抜いてください。」と応援するだけである。
それがビジネスで、不正がないのだから正しい。
これからも、「寄生意識」の人たちから手数料をガンガン稼いでいただきたい。

しかし、もしそういうことを税理士やコンサルタントという仕事をしている人がサイド・ビジネスでしているのなら別である。
そういう人たちは経営をわかっていないと私は思う。

確かに有効な助成金もあるだろう。それによって初期投資を少額で済ますことができるものもあるだろう。すべてがいけないとは言わない。

しかし、それによって芽生える「寄生意識」をどうするか真剣に考えられないのなら危険が大きい。

「そんなー。助成金程度いいじゃん!」
と言う声も聞こえる。
仮に、そんなことを思う人がいたら最低だ。

この間、うまいワインを飲んだ。
お客様からいただいた、感動的なワインだった。
酔っぱらった。もう一本いきたくなった。
いつもの御用達700円ワインをあけた。
表現できないほど、まずかった。
いつも飲んでるワインなのに・・。

助成金は、これと同じだ。
一度芽生えた「寄生意識」は取れない。
そのちょっとした心の隙が企業をダメにする。

プロは必ず潜在意識(=無意識)を味方にしている。ちなみに、私なんて、朝思い浮かんだことを字にしたり、ビジネスにしたりしている。
早起きなのもそのため。
こういう奴は朝の4時くらいでないと仕事ができない。
(日中なんて文書を書いたことがない・・)

人間は何かに頼ろうとすると、この能力が消える。
潜在意識くんは不思議な存在だ。
「潜在意識くんはうちの子供と同じだな」と時々思う。
すごく似ている。「あまのじゃく」だし、ギリギリまでやらないし・・・。

そして、潜在意識くんは、何かにすがろうとしている人のことはカンタンに見切ってしまう。とっても残酷な存在だ。
うちの子供もいつかは親離れしていくんだろうけど、その一番のきっかけは、そんなところにありそうだ。

運動しないと体力は落ちる。
何かに頼ると弱くなる。
経営も体力も一緒だ。

この税理士さんが開く、こういったセミナーに足を運んで助成金をもらうのも良いだろう。
でも、本当に自分を大事にしたいなら辞めた方がいい場合がほとんどだ。

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