【TAROの日記】

2015/04/24(金) 08:31

トンカツ

地元の老舗のトンカツを40年ぶりくらい(?)に食べた。
一時味が落ちたという評判と別のおいしい店が現れたので、我が家も別のお店に移行。
そのまま、その別の店に落ち着いていたけれど、最近は復活している・・という噂を耳にして食べた。

40年近い時間だから、「最近」がいつ頃からなのか謎だし、今でも店が残っていることを考えると、一時味が落ちたという評判さえわからない。

店に行くと、かなり年をとったおばーちゃんがいた。80歳はゆうに超えていると思う。
そして、厨房には、60歳くらいの女性(娘さんか?)
さらに、ホールには、若い娘(20歳くらい?)がいた。

ボクが、ここのトンカツを食べていた頃は、10歳くらいだから、おばーちゃんは40歳くらいで、奥さんは20歳くらいで、娘さんは生まれてなかったのだろう・・。
そんなお店の人達の構成を見て、時間の経過を味わった。

ところで、味。
ほのかに、昔の香りがする。
この店独特のものだ。
しかし、「ほのかに」である。
昔は、もっとこの香りが強かったように思う。

味は、昔とは比べられない。
子供の頃だから覚えていないのだ。
そして、昔は超がつくごちそうだったトンカツも今は普通の食べ物だから、特段言えることもない。

でも、「ほのかな」香りは懐かしい。
香りよ、もっと大きくなってくれ!としみじみ思った。

・・・・・香りとか音というのは、日常では脇役的なところがある。それは見えるものの情報量のほうが圧倒的だから仕方がない。
でも、記憶の中枢で支配的なのは、香りや音のような気がする。
我々は、音楽のバージョン違いを一音で見抜く。まず騙されることはない。

しかし、目はいつも騙される。
目の前にいる人が、美人というだけで騙されるのだから話にならない。
その時、他の五感は違和感を発していてもダメである。

だから、視覚優位を少し変えてみると、違ったものが見えたりする。
この遊びは面白い。
信じられるものが変わる瞬間でもある。

トンカツ食べながら、香りの記憶の強烈さを確認しつつ、記憶の香りとの微差の裏に何があるか考えていたら、それだけで月並みなトンカツでの食事が面白くなった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


2015年4月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  
ページトップヘ