【苦しめTAROお仕事LIVE】

2005/02/08(火) 05:16

昼飯をおごってもらいながら考えた・・・。

ここは、「フォーシンズンズ丸の内」のレストラン。
D社のWさんと待ち合わせである。
ここで昼ご飯を食べながら打ち合わせなのだ。

まぁ、打ち合わせというとかっこ良さそうだが、別に何か打ち合わせをするわけではない。一般的な世間話。でも、著者はお昼をごちそうになりながら、確実に書かなくてはならない立場に追いやられていく。
Wさんとはスグに会えてレストランへ。
お茶は飲んだことがあるが飯は食ったことがない。メニューを見るとみんなタケー。
「どれにしますか?」なんて聞かれるのが、一番困る。
そりゃー、本音は一番高いのを食ってみたいが、それはできない性。(まぁ、みんなそうか・・)

それで、
「任せます」
なんて無難なことを言ってみる。

このメニューを決めるまでの時間は、空気がまだほぐれなくて嫌な時間だ。
周りの人々は、みんなハイソに見えて、自分だけ場違いな気分になる。
オーダーを取りに来る奴が外人だったりすると、平静を装いながらも、何だか態度がぎくしゃくする。
ついでに、ここで昼飯を食ってしまうと、もう逃げられない。ゲロを吐いても、本を1冊書かなくてはならなくなる。

現在は、4冊目の本の校正中。正直、頭はそれで一杯。それも1冊書き終わって思うことは、「もう書きたくねー」という感じ。今は、「書きたくねー」モード全開なのだ。
考えてみると1冊目は良かった。今まで暖めてきた企画を形に出来るのでワクワクした。2冊目も面白かった。気楽に書くとどうなるかの実験。できたら、あのノリを続けたかった。

ところが、何を間違ったのか1冊目が大ヒット。これをビギナーズラックと言うのだが、とりあえず周りはおだてる。否定すれば、「また、謙遜して・・」などと言う。
「イヤ、謙遜じゃなくて・・・」と言うと、「またまたまたまた・・」なんて言われる。
結局、何も言えなくなる。そして、プレッシャーだけが大きくなる。

考えてみたら、3冊目の「裏帳簿のススメ」という本は、最初、冒険活劇のような本だった。本人も出だしはかなりお気に入り。しかし、1冊目の本のヒットでトーンを大変更。
それはそれで正解とは思っているけれど、書くのは辛かった。

まかりまちがってヒットした1冊目。そのビギナーズラックが次々と出版依頼を運び込む。
そして、どんどんふざけたことができなくなってきた。
D社のWさんは言う。
「岡本さんですから、お任せですよ!」
「わがままだから、お任せは助かるけれど、期待は困るんだよなーーー。おごってもらうご飯も立ち食いそばでいいんだけど・・」などと思いながら、「ハハハハハ」と言ってるオレは何者だ!!

前回、ここでWさんからお茶をおごってもらった時のことが蘇る。
それは数ヶ月前のことだった。
初めてWさんに会った冬。ちょうど1冊目のヒットが見えてきた頃、D社のための企画書を書いた。
書いたのは越後湯沢の駅。大雪で列車が止まり、やることないので考えた企画だ。

それは完全に出来ていると思った。
アイデアもいい。完璧だ。
書いている時は、面白くて仕方なかった。そして、完璧にできあがったと思っていた・・。

それをWにさん見せた。
パソコンを開いた瞬間、「????????」
あれだけ完璧だと思っていた企画は、どうしようもなく中途半端だった。
本人はできあがったつもりだったが、どうも途中でやめていたらしい。
きっと、書いている途中で列車が動くようになったのかもしれない。そして、書くのをやめた・・。
アイデアだけが宇宙へ。もう、そのアイデアは思い出せない。

Wさんの渋い顔が見えた。
「なんじゃ、これ・・」という感じ。
その反応を見て、ボクも「なんじゃ、これ・・」という感じ。

沈黙・・・・・・・・・・・・・。

あれから、数ヶ月。
そのボクが食事をおごってもらっているというのもバツの悪い話。
そんなバツの悪い状況の中で
「あー、また本を書くのか・・・・・・・・」
「これで逃げたら、ひんしゅくだな・・・」
と考えた。

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