日: 2008年7月2日
【大衆食堂の人々】

2008/07/02(水) 05:26

『蟹工船』

ブームのようで・・・。
35万部だって。

当社の20代女の子二人も買っていた(あえて、読んだとは書きません)。

ブームのきlっかけは新聞で紹介されたとか・・。
現代の新貧困社会と『蟹工船』のテーマが一緒・・ということらしい。

1929年の作品。
世相はサラリーマンと言われ始めたホワイトカラーの凋落が続いていた頃。
みんなで貧困の時代。蟹加工の労働者はさらに過酷だった(ようです)。

時代は治安維持法ど真ん中。同時に制定された普通選挙法も28年に施行。
雰囲気的にはとても暗いイメージだよな(少なくとも、私は子供の頃からそう思っていました)。
でも、『のらくろ』の連載もこの頃ですね。

いずれにしても、「モダン、モダン」と騒いでいた明るさがくらーーくなり始めたときです。

うちの女の子に「作者は獄死してるんだぞ」と言うと、
明るく「らしいですねー」と一言。
その明るさと『蟹工船』がつながらない。

新聞などは、このブームを受けて格差を問題にするけれど、どうも腹に落ちない。
買って読んでみて、「こういう話だったんですね~」とか言っている奴に、格差問題なんて関係ない。
確かに、格差問題から読もうとする人もいるだろうけど、どうなんだ?

この本のベストセラーが世相を表しているとすれば、それは格差問題のことではないと思う。
「読んだけどさー」とか「こういう話だったのね」とか「多喜二なんて知らない」とか「治安維持法ってナニ?」とか同時掲載が『党生活者』であることなど気にもならない・・なんてところにあると思う。

私の周辺では女の子しか読んでいないというのも面白い。
これは激辛女(すいません。私の造語です。詳しくは、『週間 岡本吏郎』で!)のベクトルなのかもしれない。
そして、「え、『蟹工船』ってブームなの?」とか「『蟹工船』ってナニ?」いう男どものナヨナヨが見ていて面白い。

多喜二の亡霊が70年もたって現れたのは、マツダイラー時代(すいません。これも私の造語です。VIPミーティングに参加された方しかわからないけど、『週間 岡本吏郎』を読んでいる方は想像つくかな?)の象徴かも?

さて、現代の多喜二は誰でしょう?
そこを考えるのが『蟹工船』の正しい読み方と個人的には思いますが・・。

ちなみに、世相と絡めるならマンガ『闇金ウシジマ君』でしょ。
『蟹工船』はあくまでも1929年です。

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