【TAROの日記】

2013/09/09(月) 08:28

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブをビルボードライブ東京で見る。
おそらく最後になるであろうオマーラのボーカルを見るためである。

実は、1998年にキューバに行った時にもブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブを見た。
体育館のような場所で食事をしながら見た。
食事は、肉を筆頭にどうにも食えない料理が出され、酒だけ飲んでいたと記憶する。
あのオリジナルメンバーで出演したのは一人だけで、後は全体的に若いメンバーで、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブも観光の一つになっていると理解した。

そのキューバで見た若いブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブとは別物が目の前にいた。
リズムがまったく違う。
何なのだ、この何とも言えないアフタービートは・・。
オリジナルメンバーも数人いたように思う。

そこに、オマーラが現れた。
83歳。
彼女がステージに現れただけで、場ができる。
もの凄い存在感。
そして、変わらぬ声。
会場は興奮の坩堝と化していく。
もちろん演奏も乗ってくる。

円熟・・・などという言葉を、私は使える立場にないが、こんな風に熟れたい・・と思った。
最後は、存在感だけでいいのだ。

そんなことを考えていると、ペラペラしゃべるのが馬鹿らしくなってくる。
いれば、それでいい・・・ってのでないと人間はダメである。
しかし、そんなことを考えている男が本を書いている。
ペラペラと語っている。どうにも薄っぺらいではないか!

「目覚めよ、パリ!」
『ポンヌフの恋人』のラストシーンで、レオス・カラックスが叫ぶ。
アレックスたちは、老人の船に乗り、ポンヌフから旅立つ。
若者も年寄りも旅立つ。
終わりはないのだ。
老人夫婦と若者たちを乗せたボートは、どこへ向かうのか?
オマーラは、そんな船に乗せてくれたような気がする。
いつものやり方を続けていてはいけない。
形式美などクソ食らえ、である。

自分をさらに世界に投げてみようと思った。
ハイデガーが言ったのは、おそらく、自分を投げろ!と言ったのではないと思う。
世界の企てを投げろ!と言ったのだ。
でぇ、世界の企てなどクソ食らえであるけれど、自分を投げなきゃ始まらない。
自分を投げることは、世界の企てを投げるということなのだ。

世界よ勝手にしろ!オレも勝手にする。
パンタの「さよなら世界夫人」が頭のなかで鳴っている。

「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」へのコメント(2件)
  1. メルマガの書評でいつか芦田宏直さんの新刊を取り上げて頂けるとありがたいです。

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