日: 2014年4月3日
【TAROの日記】

2014/04/03(木) 08:40

コンテキストが邪魔

この季節の山の景色は格別だ。
私はこの景色とともにいたくて、この地に住んでいる。
そして、今日の通勤時には、春を感じさせる壮大で真っ白な山並みが目の中に飛び込んできた。

その景色が飛び込んできた瞬間、私は、今がいつなのかわからなくなった。
今はいつで、どこなのか?と思った。
ただし、すぐに我に返り、今は2014年の4月。もう4月になってしまったよ・・と思った。

一体自分に何が起きたのかわからないけれど、見ている景色からコンテキストが消えて、ただ景色だけがある・・という瞬間だったように思う。

最近は、何にでも、コンテキストやテキストがつきまとう。
そのため、思考が先になって、体感が薄れる傾向にある。

それがこうじて、輸入牛でも神戸牛といって売るようなことが行われてきたわけだけど(私の学生時代のバイト先のシティホテルもそうだった)、そんなことは昔から当たり前にやられていること。問題発言かもしれないけれど、純粋な体験を消費するような高度な消費者はそんなに多くないのだから、むしろ、コンテキストによって寒い消費が豊かになっている可能性さえある。コンテキストをアテにするから、逆に利用されるわけである。

谷川俊太郎は、「邪魔するな!言葉・・」というようなことを言ったが、私も「邪魔するな!コンテキスト」と言いたい。

だから、「日本100名山」など、人をバカにしているとしか思えんし(深田久弥が個人的に言うのはかまわない)、『ベスト10』なき世で、外タレ有名人のライブに人々が押し寄せるのも好きになれない。ミシュランなんてもっての外だし、食べログなんて冗談でしかないな・・・・・・・。

本日朝の山の名前さえ消えた瞬間は、同時に、自己の存在の懐疑でもあって、しかし、そこに存在がある・・みたいな感じだったなー。コンテキストがなくなる瞬間は本当に素敵だと思った。

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