【ビジネス万有引力の法則】

2004/04/20(火) 02:24

「遡ってみる」 -ビジネス万有引力の法則(9)-

前回の続き。
本を読むのが本を買うのに追いつかないという話。

読んだ本は3つに分かれる。

(1)大事に取っておく本。
(2)もう一度だけパラパラ見て捨てる本。
(3)怒りを露わにして捨てる本。

この3つ。

本来は、(1)が多いことを求めるのが人情。
しかし、本の保管場所に切迫している人間は複雑だ。
なぜか(2)を歓迎。
時には、どこかで(3)をも歓迎する風がある。

「あ、良かった。捨てることができる・・」
そう思ってしまう。
これは、何と皮肉なことだろうか・・。
でも、これが現実。
人の心は複雑である。

しかし・・。
こんなことではいけない。
「良書に出会わなくてどうするんじゃ!」と思い直すわけ・・。

こういう矛盾は経営でも起こる。
例えば、マーケティング的にうまく行き過ぎないように、どこかで祈ってる自分。
あまりうまく行き過ぎるとバックヤードがスグに混乱。
これは中小企業の弱いところ。

だから、何か仕掛けるときにも、どこかであまり成功しないことを祈っている自分がいたりする。
結果が思ったほど出ないと、安心したりする自分&スタッフ。
それこそ、そんなことではいけないのだが、こういうことが起こるのも経営だ。
だから、こういう経営者は多い。

いわゆる初心を忘れちゃう病である。
ある程度いいところに行ってしまうと、淡泊になってしまうのだ。

何かの雑誌で読んだが、吉本興業の芸人は、年収が1000万円にいった所で2者に分かれるという。
1000万円で満足してしまう者とそれでは満足せず更にガンバル者。
そして、伸助やさんまといった1000万円で満足できない芸人はごく僅かだという。

ビジネスを始めたばかりの頃は、「自分に限って初心を忘れることはない」と思うが、この病気は必ずやってくる。
なぜなら、経験を一度積んでしまえば、2度と初心者には戻れないからだ。
したがって、これはどうにもならない。

ただ、吉本興業では、困ったこの話も経営者の場合はたまには良いと思う。
そういう淡泊になってしまった自分を見つめ直すのも大事だからだ。
そして、それを見つめ直して再び歩き出せばよい。
人間なんて、そんなものである。

ただ、初心に戻るコツはないことはない。
自分が大切に思っている人を1人思い出すのだ。
そして、その人と出会ったきっかけになった人を思い出す。
更に、その人との出会いのきっかけになった人を思い出す。
そうやって、ドンドン遡っていく。

あなたは、驚くはずだ。
今、大切に思う人との出会いのきっかけが、自分が今は嫌いになってしまった人のおかげだと気づくはずだから・・。
そして、甘かった過去の自分を思い出すはずだ。

世の中にはムダはない。
淡泊になってしまうことも。
落ち込んでしまうことも。
うまくいかないことも。

全て、ムダはない。
問題はそれを「意味づけ」できるかどうかだ。

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