【勝手に音楽話】

2004/08/18(水) 01:28

「Catch a Fire」 Bob marley

誰にでも「衝撃」が走ったアルバムがあると思う。
そして、このボブ・マリーの世界向けファースト・アルバムは多くの人にとって衝撃になった。
しかし、プロデューサー クリス・ブラックウェルの思惑とは反対に最初は売れなかったらしい。
正にジワジワ売れていった名盤。

今では、みんなが「レゲエ」と言うけれど、ボクが「ライト・ミュージック」で初めて、「レゲエ」を知ったときは「レガエ」だった。
まだ、クラプトンの「オーシャン・・」が出る前だから、「アイ・シャット・シェリフ」のヒット前。「レガエ」は謎の音楽だった。

ウェイラーズの音楽を世に出したかったクリス・ブラックウェルは、彼らに金を払い録音をさせた。それがこのアルバム。
彼らは、短時間にジャマイカで録音を終え、ブラックウェルに原盤を送る。ウェイラーズをロックのオーディエンスに対してアピールすることを狙ったブラックウェルは、その原版にロック・ギターとキーボードをオーバーダブして「 Catch A Fire」 をリリースした。

しかし、今ではオーバーダブ前の原盤の音も聞くことができるので、はっきり言える。
「オバーダブしたものも悪くはない。しかし、原盤はもっと良い」

ブラックウェルは大衆向けに聞きやすくしたレゲエを売り出した。それは正解だったのだろう。
でも、彼の思惑ははずれた。思ったほど売れなかった。
それが、翌年からジワジワ売れ出した。
当時、ウェラーズのキャンペーンは随分行われた。新しい物を世に出す常套手段だ。
しかし、そういうキャンペーンではソコソコだったアルバムが、ジワジワ売れ出した。

これは、このアルバムがオーバーダブやキャンペーンで売れたのではない証拠だ。
音が本物だったから売れた。それに尽きると思う。
こういうことを考えると多くのマーケティングが根本的に間違っていると思う。
「Catch A Fire」の成功物語は、マーケティングに関わる者がいつも頭においておくべきことだと思う。
1曲目の「Concrete Jungle」のリフが、そんな警告音に聞こえるんだよな・・。

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