【最近賞味したもの】

2007/01/24(水) 05:07

『それでも、ボクはやってない』

キャスティングが苦しいな・・。
きっと、「内容が地味だから、その分・・・・」という会話があったんだろうな。

シナリオの空気とキャスティングの乖離がとっても気になりながらも、コメディーを撮ってきた周防監督の社会派の映画には、どこかに柔らかさがあって、誰でも楽しめる娯楽の要素を保った内容になった(ってことは、その柔らかさにはキャストのおかげもあるか・・?)。

大衆向けのヒットの後にどういう仕事をするか?

そのまま期待にこたえて、大衆向けを続ける道もある。
同じ路線を踏めば再びヒットも見えている。

でも、少年ジャンプ的シナリオの後に、同じ構造をサラリーマンを主人公に変えたヒネリの人だから、単純に「○○」のようなものも「○○」のようなものも作るわけないのね・・。

でもって、その「名前」を利用した硬派な仕事。
いいですね~。

この映画で、今までの法廷映画のセットがウソなのもよくわかった。
窓も何もない。このセットこそがリアル。
しかし、そのためにドラマは放棄することになる。

その放棄したドラマから、作られたドラマ以上のドラマを感じる。
操作を廃した操作。
力まない力み。
作らない作り。

日本映画で時々現れるこの手の映画は、ブレッソンが嚆矢なのかな?

って書いてたら、この映画はネオリアリズモの脈絡に入るんだな・・と思った(ブレッソン関係ないけど・・)
でぇ、映画ってそもそもそういうものだったよな・・とも思った。

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