【最近賞味したもの】

2007/05/31(木) 05:21

『バベル』

期待度ゼロ。
しかし、良かった。

人の愚かさを描くために、少々無理を感じる部分もあったけれど、ご愛敬。人は、愚かになると、信じられないくらい愚かになるものなのだ。

そうした人の愚かさを、独特のリズムで描くカメラ。そして、サントラ。とても気持ちがよい。

話題作は期待しないクセがついているので出来の良さに戸惑いを覚える。そんな自分の素直でない性格を感じながら、恐れ入りました・・と思った。

とりあえず、本年の個人的お好みで『マリーアントワネット』に次ぐ作品。

全てが連鎖。
人生も連鎖。
そこには微塵の隙間もない。
そして、一枚の紙が次の連鎖を生む。

閉ざされた世界は、実は大きく開いていて、時には破綻を呼び、同時に信頼も生む。
取り戻せないもの。そして、取り戻せるもの。

取り戻せたものはあり。
取り戻せなかったものもある。
そして、取り戻すことが決してできないものが冷徹にある。
時は動いている・・・。

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