日: 2007年8月10日
【無理に哲学】

2007/08/10(金) 05:05

『インランド エンパイア』

怖いもの見たさ。
これがリンチ映画を見る精神でしょう。

しかし、今回のわからなさ加減は・・・・。
最早構造なんてないのだからわかる方がおかしい。

ところで、音と光はすごかった。
特に音。
最強のサントラだよ!

基本はミュージックコンクレート。
音は鳴りっぱなし。
それが恐怖感を何倍にもする。

と思っていたら、突如、デイブ・ブルーベック(快感!)。
突然話が展開する錯覚に陥るけど、ブールベック節が鳴っても話は展開しない。

この人の音のセンスはなんて良いのだ!と思ってたら、コンクレートな音の狭間からベック。
おおおおおおーーーー、こりゃ、えーーー。体はリズムを刻む。

ってな映画でした。
結局、話はわからない。ただ感じるだけで十分でしょう。
でも、あえて見立てると、私は涙のおねーちゃんが真の主人公だと思いますが、いかが?

ところで、リンチ映画にはドストエフスキーを感じる。
きっと、リンチはドストエフスキー同様に精神障害の気があって、ドストエフスキー小説のキャラクター達の発言がそうであるように、リンチ映画も、リンチの頭の中の「時間がない世界」だと思うけど、いかが?

でも、そんな映像の中で、約7分時間を進めたりしているのは何だろう?
その答えもウサギさんが知ってるんだろうな?

そんな摩訶不思議、あいかわらずのリンチ映画を見て哲学。
「人生とは、単なる断片の並列である」

ということを物理学は発見していますが、リンチ映画はその物理学の結論に真っ向勝負している稀有な映画です。

この映画をわからないと言う人(私を含む)は、人生の本質がわからないのだよ!とリンチ君は言っているのかもしれません・・。

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