日: 2006年11月29日
【最近賞味したもの】

2006/11/29(水) 05:21

『百年恋歌』

1911年、1966年、2005年の各時代。
その各時代に、同一人物の2人の男と女が互いに恋をする。

しかし、この映画は決して輪廻転生を言いたいわけではない。
あえて、同じ男と女で各時代の恋愛を描くことで、本質を抜き出そうとしているのだろう。

そして、二人の関係は「恋愛関係」と表現するよりも「男女関係」と表現する方が正しいことに気づく。
なぜならば、時代時代の「男女関係」は、まったく別物。

私たちが考える純愛的なものは1966年。
そして、(ビートルズが『リボルバー』を出した)1966年を機軸に、1911年と2005年を描く。
1911年には、恋愛と言うより情が、2005年では、レズ関係も絡めたゲームが描かれる。

どれが良いとか悪いということではない。男女関係の変換が主役。
そして、それを保つ「場」こそが本当の主役。

と言うことで、この映画の主人公は、時代が生み出す「場」
そして、その場によって作られえる男女関係。

さらに、男と女の時代に対する感性の差も見逃せない。
男って、どうして、こんなにダメなんでしょう。
女の持つセンサー能力は、最後に男を翻弄する。
時代の変換は、男主導から順次主権の交代が行われているというわけ。

淡々と音と映像を結びつける手腕に拍手。
当然ですが、音も時代を「場」にする重要なアイテム。
そいでもって、この台湾映画もマリエンバードの子供ですな。

ただ、マリエンバードの子供たちは、観客には少々忍耐を強いる点が難。
そこら辺はもう少し何とかして欲しいよな・・・・・・・・。

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