【最近賞味したもの】
『マッチポイント』2006/08/31(木) 05:27
センスの良い人の裏切りというのは大好き。
アンコールのないコンサートのセンスに通じる観客に対する裏切り行為の予感はあった。
なんだか、今回はちょっとヒッチコックを感じるところがあって、まんまと感情移入に乗せられているのはわかっていた・・。でも、やられた・・。そんな感じ。
ニューヨーカーのウッディー・アレンがロンドン映画を撮ったわけだけど、やっぱり臭いはいつもと同じ。
この臭いがたまらない。
この映画を見る前に『ウドン』という始まって5分で怒鳴りたくなるような「ゆるい脚本の駄作」を見てしまったので、口直しの熱い番茶って感じもした。
宣伝広告では、「最高傑作」などと言っているけど、それはどうかな?
雑誌『ゲーテ』の今月号は、特集が「最高傑作」。その特集の村上春樹の文章をじっくり読みなさい!と言ってやりたい。
今じゃ、ウッディー作品は「恵比寿ガーデンシネマ」でしか見れないわけだけど、ファンの支持は根強いみたい。夜の最後の時間というのに満席。
センスの良い裏切りって言うのは、気分が満ちるよな~。
そして、この映画が語る皮肉は余韻を残す。
この皮肉が人生なんだろうな・・。
ごちそうさまでした。