『年末年始のごあいさつ』 2004 - 2005

年末のご挨拶(2004年末)

  • 「未来をのぞいたら、あまりにもまぶしくて
    目が焼けそうだった」

    (オプラ・ウィンフリー)

    「昨年と比較して、自己成長できたと思います・・・・・。」

    (ある会員の方の手紙より)

    「一年を実感できるのは終わったとき」という谷口正和さんの言葉。
    本当にそうだな~と思います。
    さて、今年はみなさんにとってどんな年だったでしょうか?

    実感できる一年から、“まぶしい未来”が見えるのか、
    それとも“自己成長”を感じるのか、それとも・・・・・。
    人それぞれだとは思いますが、それぞれに今年も前進されたことだと思います。

    「成功はどこからやってくるのか?」でも書きましたが、
    私たちの「進化する精神構造」に終わりはありません。
    今も過程の途中でしかないし、今感じる“実感”もこれからの歩み次第では
    まったく異なったものになるかもしれません。

    でも、“区切り”というのは、人が歩んでいくうえで大事なものだと思います。
    歩いてきた道を、ちょっと振り返ってみる。
    そして、また歩み出す。
    決して頂上は見えることはありませんが、
    そんな旅だから“区切り”の意味も重要なのだと思います。
    そして、過去と未来を少しだけ見つめてみる。
    これも旅をするものの大事な仕事だと思います。

    皆さま、本年も大変お世話になりました。
    今年一年も皆さまのおかげでたくさんの良いご縁をいただき
    充実した一年を送らせていただきました。
    来年も今年同様にお付き合いのほどをよろしくお願いいたします。
    そして、皆さまが大きな夢に向かって順調に進まれることをお祈り申し上げます。
    ありがとうございました。

    2004年12月25日

    岡本吏郎

年始のご挨拶(2005年1月1日)

  • 新年、おめでとうございます。

    橘川幸夫さんは、その著書で時代の変化には5年のずれがあると言っています。
    1980年代は1985年から始まったし、
    1990年代も 1995年に始まったというのです。
    これは言われてみると、その通りだと思います。
    確かに、私たちが90年代を感じたのは95年になってからだったような気がします。

    さて、2005年です。
    橘川さんの論で考えれば2000年の始まりです。
    そして、21世紀の始まりです。

    昨年のいろいろな事件、例えば三菱自動車や西武、野球界の一連の事件を見ても
    私たちは一つの時代の終わりを感じざるをえません。
    それは20世紀の終わりであり、次の時代の始まりだと思います。
    (次の時代に関することは、ニュ-スレターや毎月のCDでも明らかにしていますので参考にしていただければと思います。)

    さて、そこでもう一度あの文章を見てみたくなりました。
    2000年の年末にも引用させていただいた司馬遼太郎さんのあの文章です。
    そこで、2005年のお正月にあたりもう一度あの文章を見てみましょう。

    私は、歴史小説を書いてきた。
    もともと歴史が好きなのである。
    両親を愛するようにして、歴史を愛している。
    歴史とはなんでしょう、と聞かれるとき、
    「それは、大きな世界です。かつて存在した何億という人生がそこにつめこまれている世界なのです」と、答えることにしている。
    私には、幸い、この世にたくさんのすばらしい友人がいる。
    歴史の中にもいる。
    そこには、この世では求めがたいほどにすばらしい人たちがいて、私の日常を、
    はげましたり、なぐさめたりしてくれているのである。
    だから、私は少なくとも二千年以上の時間の中を、生きているようなものだと
    思っている。
    この楽しさは―――もし君たちさえそう―――望むならおすそ分けしてあげたい
    ほどである。

    ただ、さびしく思うことがある。
    私が持っていなくて、君たちだけが持っている大きなものがある。
    未来というものである。
    私の人生は、すでに持ち時間が少ない。
    例えば、二十一世紀というものを見ることができないにちがいない。
    君たちは、ちがう。
    二十一世紀をたっぷり見ることができるばかりか、そのかがやかしい
    にない手でもある。

    もし、「未来」という町角で、私が君たちを呼びとめることができたら、
    どんなにいいだろう。
    「田中君、ちょっとうかがいますが、あなたが今歩いている二十一世紀とは、
    どんな世の中でしょう」
    そのように質問して、君たちに教えてもらいたいのだが、ただ残念にも、
    その「未来」という町角には、私はもういない。
    だから、君たちと話ができるのは、今のうちだということである。
    もっとも、私には二十一世紀のことなど、とても予測できない。
    ただ、私に言えることがある。
    それは、歴史から学んだ人間の生き方の基本的なことどもである。

    私たちは21世紀を見ています。
    それは目の前にある。
    そして、その21世紀の空気を吸っている人間の義務として、
    無駄には生きられないと思います。

    きっと、21世紀は素晴らしい時代になると思います。
    お互い、この時代を思いっきり満喫しましょう。

    2005年1月1日

    岡本吏郎