2014 - 2015
年末のご挨拶(2014年末)
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何を測定するかで、私たちが何をするかが決まる。
よりよく測定すれば、より良い決断が下せるようになるだろう。
少なくとも異なる結論が得られるはずだ。(ジョセフ・スティグリッツ)
現在の私たちには、当たり前のこととなってしまいましたが、
人類が測定をはじめたのは、ガリレオ以後とされています。
そして、測定はあらゆる分野に広がり今に至っています。しかし、私たちは測るべきものを測っているのでしょうか?
手段に過ぎなかった測定は、現在絶対的なものになっています。
ですから、末永く健康でいることよりも「あと10キロ痩せる」といった
数値の目標の方が優先されています。
フッサールが指摘したように倒錯が起きているのです。このことは、私たちの経営の世界でも起きています。
そして、私たちは短期的な数値の目標を達成しようと血眼になってきました。おそらく、時代は測定対象を変えることを要請しています。
売上や利益ばかりを測って一喜一憂するような状況にはないのです。もちろん、売上や利益の測定を否定するつもりはありません。
それ自体は営利企業としてこれからも必要です。
しかし、もっともっと大事な測定対象がある。
私たちは、その計測しなれないモノを試行錯誤で計測していくべきフェーズに
突入したのです。「何を測定するかで、私たちが何をするかが決まる」
この言葉を重く受け止める時代のはじまりです。今年も大変お世話になりました。
また、次の「一年」がはじまります。
昨年の年末のご挨拶では【基準】の追求の必要性を書かせていただきました。
そして、具体的な【測定】の時がやって来ました。来年もよろしくお願いします。
2014年12月26日
年始のご挨拶(2015年1月1日)
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あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。今年の最初のご挨拶は、10枚目のアルバム『セルフ・ポートレイト』製作時の
ボブ・ディランの言葉の引用からはじめようと思います。思いつくものは何でも壁に投げつけ、壁にくっついたものはすべて発表する。
壁にくっつかなかったものをかき集め、それもすべて発表する。(ボブ・ディラン)
昨年の『VIPミーティング』では、このボブ・ディランの気分を
【ランダム・アクセス】と表現しました。“間違いなく成功できるという道”が実によく機能した時代がありました。
しかし、その事実が連鎖反応を起こしはじめた時、確実性は破壊され、
正しい論理にもとづいて行動しても結果はわからない・・という時代になりました。食えない弁護士などは、その象徴です。
“弁護士”という成功できる道。
その資格のための専門学校を中心に起こる、我も我もの連鎖反応。
結果は、資格取得者の将来の破壊となって起こりました。環境が、今まで以上に複雑性の性質を強化したからです。
最早、市場分析をし論理的に物事を運ぶと成功するという可能性はないのです。
もちろん、過去の成功例に頼ることなどナンセンスです。成功の真実は一つしかなくなりました。
成功はランダムに起こる。
これだけが、これからの時代の真実です。
私たちは足腰を軽くしなくてはなりません。
とにかく行動するのです。
分析や理屈を言っている暇があったら、すぐに市場に問えばいいのです。ネット上に氾濫する情報とその連鎖反応の連続が私たちを誘ったこの世界は、
遊びごころさえ豊富に持てれば、きっと楽しい遊園地のようなものだと思います。その遊園地では、感性と歴史観が問われることでしょう。
それは言葉を変えれば、時間を味方にした者のみが勝つ時代になった・・
ということなのだと思います。そして、このことに気づきさえすれば、きっと素晴らしい一年になるのだと思います。
今年もよろしくお願いします。2015年1月1日