『年末年始のごあいさつ』 2012 - 2013

年末のご挨拶(2012年末)

  • 多くの人にとって、考えるということは結構きつい仕事である。
    だから、高額が支払われるのである。

    ところが、遺憾なことに、
    実際に考える仕事は他人に押し付けられてしまうのである。

    (ジョン・K・ガルブレイス)

    「考える・・・・」

    この言葉が、今まで以上に重い意味を持つ時代がやってくる。
    そんな予感をヒシヒシと感じる年末です。

    私たちは、国がどんどん追い詰められている状況にいても、
    「快適な暮らしを送る満足する人びと@ガルブレイス」を続けています。

    昨年のご挨拶にも書きましたが、私たちは、あらゆることを知りながら、
    何となくぼんやりとやり過ごしています。
    悪い意味で、「泰然自若」です。
    今は、それでもなんとかなっているのですから、これは仕方がないかもしれませんが、
    そろそろ、そんな状況も終わりそうです。

    本気で考える時が来たのです。

    そして、具体的な行動を起こす時が来たのです。

    問題が発生しないようひたすら期待する・・。
    そういう期待は、後で代償を支払わざるを得ない時が来るのを待つだけのことです。
    しかし、日本という国について言えば、そんな状況を続けているように見えます。

    皮肉なことですが、私たちの反面教師は、私たちの住む国そのものです。
    しかし、私たちは、その反面教師の下で生きていかなくてはなりません。

    そこで、一つのアイデアがあります。

    借景

    日本人が得意とする伝統的な手法です。

    混乱を借景する。
    だから、本気で考える。
    それが、私たちが生き抜くための方法だと思います。

    今年も大変お世話になりました。
    また、次の「一年」がはじまります。
    考えて、考えて、考えぬいて、これからはじまる動乱を借景していきましょう。

    来年もよろしくお願いします。

    2012年12月30日

    岡本吏郎

年始のご挨拶(2013年1月1日)

  • あけましておめでとうございます。
    今年もよろしくお願いします。

    新年早々、私の脳裏には、微笑ましい家族の姿が浮かびます。
    その姿とは、奥さんのご機嫌を取るために、
    家族をディズニーランドに連れていくお父さんの姿です。

    ディズニーランドに家族を連れて行っても、奥さんのご機嫌は、
    3日もすれば元に戻るというのに、一生懸命なお父さんの後ろ姿に、
    「そんなトンチンカンなことをしてないで、根本的な解決をしようよ。放っておいても問題は解決しないよ!」
    と声をかけてあげたいくらいです。

    そして、そのお父さんの姿が、そのまま新政権の自民党の姿に重なります。

    さらに、その姿は、多くの中小企業の経営者と重なります。

    でも、このことは朗報でもあります。

    実は、何をすべきかは明確なのです。
    ただ、その明確なことをやっていないだけなのです。

    F・ルーズベルトのニューディール政策なしには、今のアメリカの資本主義は
    存続していないと言われますが、そのニューディール政策は当時多くの国民から
    反対されました。

    明確な“何をすべきか”は、多くの抵抗にあうものです。
    そして、私たちの勇気を問うものです。
    その勇気が問われる一年がまたはじまります。

    きっと、素晴らしい一年になるはずです。

    2013年1月1日

    岡本吏郎