『年末年始のごあいさつ』2021 - 2022

年末のご挨拶(2021年末)

  • 年末のご挨拶(2021年末)

    子供は子供だったころ
    腕をブラブラさせながら思った、
    小川は川になれ
    川は河になれ
    水たまりは海になれ、と。

    子供は子供だったころ
    じぶんが子供だなんて
    知らなかった。
    すべてに魂があって
    すべての魂はひとつだった。

    子供は子供だったころ
    考えなんてもたなかった
    癖だってなにひとつ。
    あぐらをかいたり
    両脚そろえて跳んだり
    頭にはつむじ
    カメラを向けてもしらんぷり。

    (『ベルリン・天使の詩』より)

    今年は、『真剣に、本を読む会』という新しい試みをしました。
    そして、1年間、合計22のテーマを投げさせていただきました。

    重要なテーマばかりでしたが、後半のテーマは次の一言に集約させていきました。

    「透明な好奇心」

    自己実現。
    自己成長。
    そういうものも必要とは思います。
    でも、それによって無理な「移し替え」が行われてしまうこともある・・。

    おそらくですが・・。
    「さすらい」の時代は終わりました。
    新型コロナの事態が、私たちに突きつけたギアチェンジ。

    そして、浮上しているのは「回帰」。

    「さすらい」から「回帰」へ

    さりげない転換点。
    それに気づいている人はわずかかもしれません・・。

    願わくば・・。
    この文章がきっかけとなって。
    皆さまが豊穣なる「回帰」を意識されることを。
    そして、「透明な好奇心」との再会を果たされることを。

    今年も1年が終わります。
    ありがとうございました。

    2021年12月28日

    岡本吏郎

年始のご挨拶(2022年1月1日)

  • 子供は子供だったころ
    リンゴとパンがあればよかった。
    今だってそうだ。

    子供は子供だったころ
    手のひらにブルーベリーばかり降ってきた。
    今だってそうだ。

    胡桃を食べ過ぎて舌を荒らした。
    今だってそうだ。

    山に登るたび、もっと高い山にあこがれ
    街に行くたび、もっと大きい街にあこがれた。
    今だってそうだ。

    木に登り、サクランボを摘んで得意になった。
    今もそのとおり。

    やたらと人見知りした、今も人見知り。
    初雪が待ちどおしかった、今も待っている。

    子供は子供だったころ
    木をめがけて槍投げごっこをした
    ささった槍は今も揺れている。

    (『ベルリン・天使の詩』より)

    大事なのは、「壮大な夢」でも「大きな情熱」でもない。

    「小さなモチベーション」

    ただ、それだけがあればいい。
    しかし、その持続こそが、実に難しい・・・・・。

    また1年がはじまります。
    今年もよろしくお願いします。

    2022年1月1日

    岡本吏郎