月: 2006年9月
【最近賞味したもの】

2006/09/13(水) 05:30

ジョナサン・リッチマン

初めて、裏切りの心地よさを知ったのは、ジョナサン・リッチマンのおかげ。
彼の裏切り行為は、消費者には大変心地よかった。

ついでに、普通ならばアンテナの高い人向けに受けるものでしかないはずなのに、それが大衆向けに受けちゃったんだからスゴイ(それにしても、『エジプシャン レゲエ』が全英5位というのは、やっぱり変)。
ボクは、コテコテの大衆中学生。そのガキがリッチマンのスカスカな裏切りにかっこよさを感じた。

硬質で、誰も寄せ付けない態度のおじさんが、突然、麦わら帽子をかぶって笑っているような景色の急展開。その力の抜け加減に驚喜した。

考えてみれば、
全共闘が物語を失ったのも
筋肉ロッカーが格好悪くなったのも
ベレー帽のこじゃれたおにいちゃんがかっこよくなったのも、
ブラジルの変人が若者のおしゃれになったのも、
手塚治虫が死んじゃったのも、
ツバメ君が男の子だったのも、
ゴレンジャーがギャグマンガになったのも、
仮面ライダーがカブトムシや鬼になってしまったのも、
天体戦士サンレッドの連載がはじまったのも
あれもこれも・・・・・・・・、ぜーんぶジャナサン・リッチマンからはじまったような気がする。

時は、その後にポストモダンを拝み、「何でもあり」を表出する。
現代のイタコだったリッチマンには全部分かったんだな・・・・・。

そんなリッチマンを久しぶりに聞く。
70年代の音だというのに、なんてかっこよいのだ。
ナルシストには絶対できないワザ。
そこには、「常識」を軽くいなした美意識がある。

仕事もこんな風にいきたいな。
最近は、、勝利とか、成功とか、カリスマなんて言葉だらけだけど、こういう言葉は人の価値観を狂わせる役目以外はないは・・(実感!)。

えー、唐突でしたが、リッチマンでした。

「ダリ展」がやってることだし、明日は、ダリで好きなことでも書く?

【最近賞味したもの】

2006/09/12(火) 07:24

『日本以外全部沈没』

B級どころか、C級映画。
B級映画好きにも、ちょっと辛い・・。

元々原作が映画向きではないんでしょうな。
それを『日本沈没』に合わせて映画化した?

その行動自体は、楽しい。
そういう仕事は好きだけど、どこか無理ないか?
でもって、どうせやるなら、もっとハチャメチャにして欲しかった。
ってことで、不満残ったな~。

お客さんの意識の中には、時に、
「私のことを置いていって!」
って感情が出るときがあるのよ。
それなのに、この映画は逆に失速。最初は少し置いていってくれそうな雰囲気あったのに・・。

こういう映画は、お客さんなんて置いて、ガーンと突っ走るべき。
そして、その後ろ姿が面白いのだよ。

テーマも、ネタも面白いのに、こっちに寄り添ってくるから中途半端を感じるんだよな。

なお、一応、この文句は愛情です。
お客さんとの距離。距離感。
これは難しい問題で、解決の妙策はない。

結局、商売は、ある程度になると、この距離感の研磨と距離の調整が大きな仕事になる。
特に、相手はお客様の感性というボディーで、エンジンはとんでもなく高性能&アメーバリー。
アクセルとブレーキとハンドルを絶妙に調整・・・なんて言うのはカンタンだけど、資本主義の中心課題は現在ここにあるもんね。

この映画は、岡本喜八監督で見たかったな・・・。合掌。

【無理に哲学】

2006/09/11(月) 07:04

『トリノ、24時からの恋人たち』

お客様と打ち合わせをしていたら言われる。
「ブログを読んでると、暇さえあれば映画見てるよね。よく遊んでいるな~」

そんな風に言われたので、映画のことを独りよがりで書くことは抵抗が出てきた(まぁ、今までもそうだったけど・・)。
ただ、これって自分の記録用に便利なんだよな~。

ってことで、今日も独我。独りよがりだった・・。

『DOGORA』を見て、「リミュエール兄弟」のことを思い出して、そんなことをブログに書いたら、なんと、この映画は「リミュエール兄弟」が引用されてたりする。
世に言う、シンクロニシティーって奴でしょうか?

映像の引用というのは、別に普通だけど、この映画はちょっと違う。
バスターキートンなどの映像が話の本筋に入り込む。
そして、時には、引用された映像が話の流れを支配したりする。

最初は、主人公が鑑賞する映像として現れた引用の素。それが、主人公の行動などを規定しいたりすることが露わになり始めた頃から、画面自体の支配していく。そして、最後は、引用と今の映像のコラボレーション・・。なかなかです。

でもって、こういう引用が現れると、ちょっとボクらも考えなくてはならなくなってきたと思う。
全ての思考は、引用の組み合わせで、目の前の現実は引用というメージャーで見る。
ボクらの直接体験は何か?
それも、引用の組み立てで理解されいるのではないか?
ってなことに気づく。
でね、これは、メタファーや例なんてものより使えますよ。・・・・・と思いました。

そこで哲学。
「ボクたちって、引用の地層みたいなものなのよね」

ってことで、あらためて何でも見ておこうと思うのでした。

ちなみに、ボクは暇ではありません。
時間を意識して作ってやっと遊んでいます・・。

【TAROの日記】

2006/09/08(金) 07:01

記憶と言うこと

旨い酒が家にあった。
これが旨い!
大絶賛。

しかし、誰からもらったのか、まったく思いだせない・・。

記憶の映像の中に受け渡し場面がおぼろげにあるけれどダメ。
それも無責任なことに、「へーこんなところでお酒作っているんですか~」と言ったのも覚えているのに、誰から頂いたかもいつ頃のことだったかも思い出せない。

ってことで頂いた方にお礼が言えない。

記憶って何だろうか?
まぁ、これも哲学の世界で毎度毎度語られていること。
実は、人間なんて毎日別な人なんだけど、記憶だけは受け継いでいるのだ・・とかなんとかこうとか・・。

でも、「記憶にない!」というのは、記憶なのか記憶じゃないのか?
そもそも、酒が現れたときは、無からいきなり現れたというのが実感。
当初は「記憶」なんてものが絡む要素はなかった。
飲んだら旨かったので、「誰からもらったんだっけ?」という思考が稼働した。
普通の味だったら、どうだったものやら・・。

でぇ、ここ数週間のことを思い出しながら、全てが「今から見た記憶」に変換していくのがわかる。
事象ってのは、前から見るのと後ろから見るのでは違うのだ。

でもって、酒ごときから、いろいろと記憶について考えていたら、「生きているのか死んでいるのかわからない気持ち」(@ムーンライダーズ)ってのがちょっとわかったような気がした。

いいオヤジがソフィーのように「私ってだーれ?」でもないけれど、んーーー、この頂いた人にお礼も言えない薄情なボクって何でしょう?

【苦しめTAROお仕事LIVE】

2006/09/07(木) 07:49

週刊『岡本吏郎』でプレゼント

有料メールマガジン『週刊 岡本吏郎』で、
「神田昌典先生のミュージカルのチケット、ついでに席も最高の場所5枚」
というのを無料プレゼントのコーナーに出した。

これに応募が殺到。
いつもの応募量の何倍くらい?

まぁ、価格的にも今までで一番高額だしな・・・・・・・。
ついでに、良い席というのは、お金を出しても手に入らないことも多い(と言いながら、キメのコンサートや演劇などのチケットはヤフオクで落として、良い席を確保する、私・・)。

しかしながら、この神田人気は何なんだろう?
あいかわらずですが、素晴らしいですな・・・・・・。

でね、実は理由は明快なんですけど、内緒!
これを言うと、当社のお客様に怒られてしまうので・・。
しかし、そこがわからなくて、勘違いしたことしている人は多いよな。

ちなみに、メルマの読者のみなさま、応募は来週の月曜までですので、ご希望の方はお早めに。
競争率は結構高いですけど、申し込まなきゃ当たらない!

&このミュージカルに関する私の考えについてQ&Aも来てますので、それもメルマの方で後々・・。

【最近賞味したもの】

2006/09/06(水) 08:56

今更ですが、『有頂天ホテル』

長回しがやりたかったんだねー。
そこに精力を全て注いだ感じ。

4分近い長回しを見てて、自由シアターの『上海バンスキング』を思い出した。
同じ長回しでも、手法はまったく違う。でも、臭いが似てる。

舞台的に始まっていき、徐々にカット割りが映画的になっていく・・。
そして、再び、舞台的対話に戻る。
まぁ、これも手か?

ただし、役者の揃え方を含めて、そういうところに神経が行きすぎた感じがした。
バラエティーだから、そんなものどうでもいい感じだけど、見終わった後の薄っぺらさは否めない。
『笑いの大学』と比べるとな・・・・・。

長回しというと、個人的にはベルイマンの『ファニーとアレクサンデル』。
あのカメラワークは今でも脳裏に映る。
この映画の長回しは、そういうものとは違う。カラクリ屋敷のような・・。手品のような・・。皿回しのような・・。
そして、そこだけがやたらと浮かび上がって、見る者は「次」を要求。
なんだか、全体から浮いちゃってるのだ。

こういうことって、仕事でもよくあるよな~。
アイデアはいいんだけど、仕事になったときにフィット感がなくなる。
ビジネスでは、一貫性やフィットネスというのは重要だからな~。

名人でも、こだわると、やってしまう・・という見本を見た感じがする。
まぁ、映画としては十分楽しめたけど・・。

【無理に哲学】

2006/09/05(火) 05:39

パークハイアットの朝メシ

生意気にも、パークハイアットで朝メシを食う(本来は、ブレックファストと言うべきか・・。ついでに、本来なら、嗜むと言うべきか・・?)。

行ってみると、とってもシンプル。
品数が少ない。

そこらの田舎者なら、「何よ、サラダとパンくらいしかないじゃない」と叫びそうな景色。

ところが、当たりまではありますが、このシンプルなメシの一品一品が旨い!!
震えるほど旨くて、ずいぶん大食いをしてしまった。

そこで久しぶりに哲学。

「シンプルとは自信のあらわれである」

「あれもこれも付けます!ついでに30%オフ」なんてのは仕事じゃないのだ・・。
後、説明がやたら長たらしいのもいけませんね・・。

【最近賞味したもの】

2006/09/04(月) 05:47

今更ですがプロペラ機

福岡から出雲空港まで飛んだ。

春にタヒチでプロペラ機を初体験。
飛行機嫌いで、飛行機をずいぶん避けてきたわけだけど、そうもいかなくなってきている。

そして、今まで乗った飛行機で一番小さいのに乗る羽目になった(と言っても、まだ大きいんでしょうけど・・)。

当日は、大気が不安定。
そのおかげで、『天空の城ラピュタ』のシーンのような体験が出来た。
入道雲をかき分けて、プロペラ機がそこを脱出した時の瞬間は感動もの!

ってことで、怖いよりも面白かった。
下りも随分揺れたけど、慣れってのはこんなものね・・。

でぇ、だんだん小さい飛行機に乗せられることが増えてきて思うのは、どうも小さい方が揺れが激しいけど安全な気がすること。上昇、下降もサクサクしていて気持ちがいい。

まぁ、デカイ企業と小さい企業みたいなものか・・。

どっちが良いというものではないけど、「かっこよさ」という点ではプロペラ機の勝ちだな。

オートバイに乗るのに、つなぎを着るのはかっこわるい。やはり、GパンにTシャツ。
チャリンコの乗るのに、専用ウエアを着るなんてまっぴらごめんだ(ヘルメントもイヤですな・・)。
ベンツもどこかかっこわるい。

でぇ、小さい企業なんですけど。
やっぱり、つなぎ姿や専用ウェアで運転するのはかっこわるい。
ちょっと儲かってベンツに乗るなんて爆笑の対象でしかない。

かっこいい中小企業は、プロペラ機みたいに、ちょっと時代遅れのかっこよさを目指したいな・・。
などと思うのだった。

【最近賞味したもの】

2006/09/01(金) 05:16

『DOGORA』

リミュエール兄弟が写した映像は、ただの通勤風景だったのだろうか?

そんなことを思った。
そして、そうではない。という確信を持った。

〈DOGORA〉という音楽(ちなみに、、ボクは好みではない!)とカンボジアの風景にインスパイアされルコントが撮った映像。それを見ていて、そんなことを思った。

まぁ、こういう映画ってのは、ただ見ておけばいい。これに尽きるので、余計なことは言うまい。

何もかもが成熟してくると、原初風景に戻るっていうのは、パターンなわけで、別に『仕立屋の恋』の監督がこういう映画を撮っても何の不思議もない。それどころか、ゴダールよりも潔いかも?

原初風景は、あまりにも遠い。
あまりにも、あまりにも遠い。
でも、ボクらは原初風景を目指して歩く。
ルコントは映像を通して、我々はビジネスを通して・・。

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