月: 2006年10月
【無理に哲学】

2006/10/17(火) 06:13

『ハーバード・ビジネス・レビュー』創刊30周年記念セミナー

結論を言うと、ひどいセミナーだった(大きな会社のセミナーは、遠慮なくけなせるのでいい)。

ブルーオーシャンのチャン・キムが基調講演をするのでフラフラと出かけていったが、どうも、ご本人の話を聞いていると、ポーター系環境決定論との違いがよくわからん。
「おまえの言っていることも、ポジショニングではないの?」とちゃちを入れたくなる。
まぁ、気持ちはよくわかるんだけど、んーーー、納得できない。
でもって、結局、結果論だと思うんだよな・・・。

その後のコンテンツは、更にひどい。どれも、一体全体何を伝えたいんだよ!と大声で言いたくなるような、わかってる話のあめあられ。

こんなレベルのコンテンツを大ダイヤモンド社が、「ハーバード」の冠で提供してるってどういうことだぁ?

まぁ、我々の方が、現場に近い分、進んでいるでしょうな。そこは確信。
NTTデーターの社長の話なんか、我々中小企業には信じられない話だったもんな・・。

そこで、強引に哲学。
「偉そうな奴の実力はしれている・・」

おーーー、そこまで言ってしまいますか?
まぁ、とりあえず、そう思ったし、そう発見したので・・・・・・・・。

でも、権威とかデカイとかって、大変なだろうな。
そして、ピーターの法則って正しいのだよ。

上に向かうというのは、失敗が約束された人生なんだろうね。

【苦しめTAROお仕事LIVE】

2006/10/16(月) 08:34

『図解 会社にお金が残らない本当の理由』

えー、おかげさまで、私の一冊目がリニューアルされ発売されました。
図解によりわかりやすくしただけではなく、内容も税制改正に対応したモノや今だから話せることなどを加筆しました。

「まえがき」はこんな感じではじまります。

(前書きより)*************************************

「こんなの“当たり前”じゃん」という言葉は、結構恐ろしい言葉だと思います。
そう言い放つ者は、気楽に言うかもしれませんが、知らない者にとっては致命的であったりする。それが「当たり前」という言葉の本質です。
「当たり前」という言葉から想像されるものは、「みんなが知っているもの」と考えがちですが、実は違うわけです。

自分の「当たり前」は、他人にとっては「当たり前」ではなかったりする。そして、他人の「当たり前」も、自分にとっては「当たり前」でない場合がある。つまり、何が「当たり前」で、何が「当たり前」でないかというのは、結構難しい問題です。

*******************************************

なんて感じですね。
中小企業のリアリズム宣言書が、この新しい『会社にお金が残らない本当の理由』です。

フォレスト出版さんで今日からキャンペーンをやるみたいです。
そのために、プレゼント用の音声を吹き込まされました。
ちょっと暴走して、お客さんとだけで内緒にやってたことも少ししゃべっています。
ご興味ありましたらご参加下さい。

ここに飛ぶと参加できます。→ http://www.forestpub.co.jp/riyuu/

【苦しめTAROお仕事LIVE】

2006/10/13(金) 07:26

ズレ

久しぶりに会社にいてみると、ずいぶんズレが大きくなっていることを発見。

ほとんど一日中、スタッフを呼んで、仕事の意味ややり方について、話をしていたような・・。

スタッフの顔を見ながら話をしていて、思ったことは、「”恵まれている”というのは不幸なことだな・・」ということ。

当社は、お客様も良い方ばかりだし、田舎にいて、ほとんど修羅場もなく、何だが自分のペースで仕事ができてしまうところがある。そんな関係で、世の中の「最近の”総意”」とか「この頃の”気分”」って奴に疎くなっている。

もう少し厳しい言い方をすれば、「感性」が曇ってきている。

こりゃ、恐ろしいことであります。
会社なんて、そういう「タチ」がガン細胞のように会社中を覆ったら潰れちゃうのにね・・。

まぁ、飽食がガンなどの病気を呼ぶように、恵まれることの弊害というのはある。

そりゃ、恵まれている方が良い。
それはそうに決まっている。

しかし、愛とか幸福というものは、アフガニスタンやイラクの人たちにしかわからないように、釣られた魚にしか水のありがたみはわからないように、私たちは自分の環境についてわかることはない。

この致命的な宿命を乗り越えるものだけが成長できるんだよな・・。
世の中っていう「皮肉な道化師」は、人のそんな呪縛を見て笑っている。
こっちも笑い返すしか方法がないのは、悔しい限りだは・・。

【苦しめTAROお仕事LIVE】

2006/10/12(木) 07:28

ハシゴ

時々、仕事の調整の関係で、日曜日に東京でブラブラすることがある。
この間、久しぶりに、そんな日曜日があった。

通常は、スタバなどで仕事三昧なのだけど、何だかする気がしなくて、朝一で映画館へ走る。

そして、渋谷のアミューズで『ゆれる』を見る。
『ゆれる』を見るには遅い時期で、今はここで朝一番しかやっていない。
やっぱり、どこででもやっているものより食指が動く。

以前、ここにも書いたように、映画は大絶賛。
久しぶりに良いものを見た。

『ゆれる』を見終わり、意味もなく文化村へフラフラ。
6階の映画館へ行くと、『弓』がグッドタイムングでやってる。
映画を見たら仕事をしようと思ったけれど、変更。『弓』を見ることに。

そして、やっと仕事をしようと仕事場所探し。
ところが、あるホールの前を通ると、上方落語会。桂三枝や月亭八方とか出ている。
んーーと悩んだけど、当日券で入ることに。
完売だったけど、なんとかキャンセル待ちでゲット(この席がよかった)。

結局、仕事は予定通りにできずに一日遊んでしまう。

ところが・・・・・・・。
案外仕事をしてしまったのですよ。

毎度のことだったりしますが、遊びを優先したら、とんでもないパワーが出て、労働時間はすきま時間を集めた約1時間くらいだというのに、予定の7割の仕事が終わってしまった!!!!!

そして、翌日には、何とかつじつまを合わせ。無事に着陸。

こういう成功体験は、変な自信を付けてしまい危ないんだけど、こういうものなのよね。
今、『週刊 岡本吏郎』で連載している「頭の使い方」でも、こういう時間の使い方に触れてるんだけど、世の中はこんなものです。

仕事よりも遊びに疲れた一日でした。

ってことを書いた次の日曜日。
調子に乗ってハシゴ。
映画→独演会(落語)→ミュージカル(あの『With You』)。

結論を言うと、まったく仕事が出来ませんでした(それどころか2時まで飲んで翌日もムダになった・・)。
ということで、こういう話はあまり信じないように。
世の中は、そんな話だらけです。

【苦しめTAROお仕事LIVE】

2006/10/11(水) 08:31

資本主義の原点じゃないか!

ミュージカル『With You』の打ち上げで、この舞台の脚本を書いた永井さんの話を聞いた。
何せ、人生が180度違う人の話は面白い・・と思った。

ところが、案外似てるのだ。
「どうして、自分で脚本を書くようになったのか」という問いに対する回答なんて、「どうして、あなたはサラリーマンを辞めたのか」という問いの回答と全く変わらなかった。

さらに、「この後、今回舞台を共演した仲間達は明日からどうするのか?」と聞くと、
「みんな、バラバラ。どこに行くかも知らない」のだそうだ。

げ!これって、ベネチア時代の資本主義の基本ではないか!!
その頃は、旅芸人の方が固定したチームで動いてたはず。

なんてことはない。舞台作りには、資本主義の基本がある。
そういう視点で見ると、私たちの仕事に参考になることが多い。

それを永井さんに言うと、
「私が話したことを、みなさんビジネスの方々は、参考になると言う。何だか、損した気分・・」(こんなニュアンスの発言ですが、正確ではありません)とのお返事。

私たちもプロジェクトごとに組織を作る昔の資本主義に戻るべきじゃないかな?
残念ながらLLCは使えないけど、LLPがある。器は揃っている。

もし、そんな流れが復活すると、バカ社長は生きられない。
ビジネスの世界も、プロのプロデューサーが中心となった職人の世界になる。

ソシタラ、ワタシハイキノコレルカ?

んーー、そうなったらビジネスの脚本家をやりたいな~。
ただ、問題は、プロジェクトだと短期決戦になる。それは、あまり好きじゃない。

んー、昔の資本主義は魅力だけど、今はフロンティアの資源量が少なくなっているから、馴染まないよな・・。
結局、これもアウフヘーベンしていくってことだな。

でも、考えてみると、そういうのって音楽の世界にはある。

んーー、なるほど。
面白い組織作りがはじめられそうな気がする。フフフフフフ・・。

と言うことで、永井さんの悔しさをよそに、いいヒントを頂いちゃったのだぁ!

【最近賞味したもの】

2006/10/09(月) 10:28

『With You』と『雨月物語』

『成功者の告白』が,ミュージカル化で『雨月物語』の構造になった。
それが『With You』ですな・・・。
と強引に思った。

と言うことで、枝葉(枝葉でない!と言われそう・・)を抜くと、原型はずいぶん昔からあります。
しかも、日本人好みの原型・・ときたもんだ。

『雨月物語』が作品として奥行きを深めているのは、「幻想」という道具立てを使ったところ。
「幻想」を追い求めた主人公が、自らの現実をも「幻想」にしてしまう。
その現実であったものが、「幻想」になった時、初めて価値を持ついうラスト10分前。
映像と共に、あそこであの映画は決まった・・。

さて、『With You』。
神田昌典という一人のコンサルタントが、小説を書いちゃって、さらに暴走。こんなミュージカルを作ってしまう・・・・・・。
これは凄いことです。
総合プロデューサーとは言え、全てが自分の想いどおりに言ったわけじゃないだろう。当然、葛藤だらけでしょう。それを越えて、こういうことをやり抜く。この夢の追いかけ方は尊敬に値する。
リアリストであるボクのような人間には、近づけない世界であります。

作品は、神田昌典という人の大衆性が、そのまんま出たような舞台。
でもって、「なるほど、”大衆的”というのは、血肉なんだな・・」と妙に納得してしまった。

別に、カルチュアル・スタディーズのように、大衆性を敵にする必要なんてない。
生まれながらにして、大衆性を備えた人や物があって、そうでないものもある。それだけでしょう。
そして、大衆性ってのは、ないよりあった方がいいに決まってる。

で、ワタクシメのような大衆性と縁のない男は、そこんところがこそばゆかったり、居心地が悪かったりするんだよな・・。
まぁ、『雨月物語』の構造云々を言っているような輩は、最初から相手にしていないわけでありまして、これはちゃんと選択されてるってことですね。
それと、練習を何回か見ているせいで、純粋に観客として楽しむことは、もはや不能でございました。

この作品は、出自が出自だけに作品としてだけ語られることはない。
必ず、「神田昌典が云々・・」がつきまとう。
それも語って、一つの作品ということ。
それは『エヴァンゲリオン』が嚆矢になったのかもしれないし、『ラストワルツ』が嚆矢になったのかもしれない。

そして、更に付け加えるならば、神田昌典は極めてエビちゃん的だ。
その事が生む勘違い。
その勘違いは、きっと次の時代を作る。

神田昌典という人の時代の役目は明らかだ。
そして、その後の者が進むべき方向も明らかだ。
ただし、多くの人は、きっと方向の照準を間違うことだろう。

それは、誰がどうの・・ということではなく、時代の構造なのです。

なんだか、まったくミュージカルを見た感想になってないけど、きっと、そこらじゅうに「感激しました?!!」なんていう風に書かれてるだろうから、書いても仕方ないということで・・。
独断と偏見。個人的なフフフフフという発見。それと、あーあ、見?つけちゃったよメシのネタという気分の独り言でした。

【最近賞味したもの】

2006/10/06(金) 05:49

『弓』

秀逸なアイデアが一つ浮かぶと、後は何をしようが勝ち・・ってなことを思った。

少女とブランコと弓。

この映画は、この組み合わせで勝利をものにした。

んーー、どうもアジア映画では韓国映画だけ馴染めなかったんだけど、こういうのもあるのね。
独特な宇宙を、うまいタッチで描ききったと思う。
『ウンタマギル』とかとカラーが似てるけど、こっちの方が作品としては完成度高い?
そいでもって、韓国にもこういう臭いがあるんだね。
と言うか、こっちが本来の臭いなのかも・・。

一つの小宇宙で完結させようと思った男の想いは、儚くも外の世界との接触で崩れる。
しかし、男自身が小宇宙から出ることで、想いを完結させる。
小宇宙はなくなり、少女は新たな宇宙へと旅立つ。

小宇宙に永続ってことはなくて、常に変転する。
その定めは支配するものにも例外は与えない。
弓は空に向かって放たれたときに、初めて時を一歩進め、時の進行は永遠になった。

やっと満足できる韓国映画に出会えてうれしい。

【最近賞味したもの】

2006/10/05(木) 05:32

『ゆれる』

どういうわけか、映画には法廷ものの名作が多い。
個人的に好きなのは、アメリカなら『オペラハット』、日本なら『日本泥棒日記』(どっちも古いな~)。

まぁ、そんな法廷もの名作とは少々角度が違うけど、『ゆれる』もそんな法廷ものの名作に入れたい。

この映画は、きっと今年の邦画の収穫だ。
それは、フィルムが回り出した時にすぐに感じ取れた。
リズムがいい。
それに尽きる。
別に特別なことはない。そこにワザを感じた。
こういうリズムの映画は、編集段階で興奮するんじゃないかな?

守るものがある者の悲哀とたくましさ。
守りを放棄した者の自由と呪縛。
結局は、守る者の手のひらで踊った自由な者たち。
守りと創造はそれぞれに偏向して、偏向したところから新たな真実を紡ぐ。
定めと順序。私服とスーツ。

んーー、こりゃ、とんでもなくうまいアプローチでテーマに臨んだよな。
これだから邦画は面白い。

【無理に哲学】

2006/10/04(水) 06:59

バウワウ

「土曜日、暇?」って聞かれる。
有名なアストロージャーのライムねーさんからのお誘い。

そもそも、新潟在住のワクシメに何を聞いているの?って感じだけど、ボクのような人間しか誘えないらしい。

何と、バウワウが一夜だけの再結成。そいでもって、金曜日にライブをするそうな・・。

「あんたみたいな人でないと、バウワウなんて誰も知らないのよ~」

ほー、バウワウ。
何十年ぶりに耳から聞いた言葉でしょう。

中学生のとき、初めて聞いたときは驚いたもんだ。
あの衝撃波は今でもカラダに残っている。

でもって、こういう時の会話ってのは弾む。
もう秘密結社の暗号みたいな会話の連続で、第三者が聞いたら、わけわからんの世界だけど、ナンナンデショウね、1975年頃って。
そんな会話を中央線でしているオジサン、オバサンは異常であります。

そんなことで哲学。・・なんてないけど、無理に哲学。
「実は、時は止まっている」

・・・のではないでしょうか?
確かに、「あの時」は絵画のように止まっている。
そして、その絵は、時に、思い出されて、反芻される。
絵画の連続。それが人生かも?

ところで、ライムねーさんのお誘いですが、わたくし、ムーンライダーズのコンサートなものでお断りしました(おいおい、仕事しろ!)。
ムーンライダーズはingの音楽。でも、やっぱり、「あの時」だよな。
ってことで、二人とも、違う場所で、そんな一時を過ごすわけですね。

【無理に哲学】

2006/10/03(火) 06:26

新宿でお酒を飲むと言うこと

新宿、渋谷では飲まなくなっていた・・。
意識したことないけど、いつの間にかそうなっていた。

だいたい、事務所のある恵比寿から渋谷まで歩いたりすると、渋谷に近くなるにつれて雰囲気がまったく変わってきて、渋谷はCD購入以外は近づきたくない場所になっていた。

そんなオジサンが土曜日の夜に新宿をウロウロ。
まぁ、ライブでも見に来ない限り絶対に来ない場所だよな・・。

そんな夜の新宿は、一言で言うと、若者っていう混沌が充満する街。
混沌は、それぞれを一人で見ると個性で、その混沌の一部となった自分も、やっぱり個性の一つなんだけど、もう、こういう混沌に入り込んだら自由意思はあまり効かない。

でもって、哲学。
「カオスは何も生まない。でもって、カオスの縁がどこにあるかも判断できない」

ってことで、カオスから縁にいくのは不能と悟りました。
カオスに入ったときは、一度岸に上がって、そして、縁に行く。これしかない。

これって、まんま組織論でないかい?

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