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起業家が最初に雇用を起こすタイミング

Q.
岡本先生、はじめまして、Aと申します。

現在、創業11期目、やっと自分の食いっプチを稼げるようになりました。
業務としては、コンピュータソフトメンテナンスです。
いまだ孤軍奮闘という状態です。

食えるようになったと同時に時間が無い、健康が崩れそう、という問題点が出てきました。

あとはお客様から
「あなたが倒れたらうちのシステムはどうなるの?旅行にもいけませんね?」
といわれます。営業上も問題ありです。

雇用を起こしてコピーを作るべきだと思いますが、仮に20万円の人件費を起こしたとしても、材料費、経費、などを見込んだ3倍の60万円を稼げるほどキャッシュフローが無いです。

過去の成長曲線起動に乗った時期から換算すると2010年がピークのようです。2010年雇用では準備が間に合わないです。

起業家が最初に雇用を起こすタイミングはいつなのでしょうか?

充分なキャッシュフローが得られたときからなのでしょうか?それとも成長曲線・見込み・計画で走るべきなのでしょうか?

よろしくご指導のほどお願いします。

A.
「起業家が最初に雇用を起こすタイミングはいつなのでしょうか?」というご質問ですね。
では、この質問にダイレクトに答えてしまいましょう。

原則は「最初から雇う」です。
したがって、Aさんは最初のスタートを間違えてしまった可能性があります。

確かに、人を雇わないというビジネスモデルがないことはありません。
先般も、人を雇わないビジネスモデル(個人事業で年収が1億円近くあると思われます)で稼いでいる方とお話をしましたが、相当特殊な仕事です。そして、私なんか比べものにならないほど忙しい。

単価を業界標準よりも高くすることで維持していますが、そろそろそれも限界で最近思い切った判断をされたようです(お金があっても時間がないのは、将来を考えるとやっぱりマズイですからね)。

ただ、この方も、優秀な人をアウトソース先として何人もかかえています。その一人と一度会う機会がありましたが、緩やかな連帯を感じました。
社長とスタッフという関係はないですが、その方の仕事を支えるチームの一員という感じが匂い立ちました。まぁ、勝手な想像ですが・・。

いつも言っているのですが、私は仕事を始めた最初に「給与規定」を作りました。社員がまだゼロの時に、こうした社内の整備を全部してしまったと言うことです。なにせ、仕事が動き出したら、そんな余裕はなくなりますからね。

そして、赤字を覚悟・・なんてことではなく、赤字が当たり前・・という気分で人を雇っていきました。
だって、私のような変わり者と気が合うやつなんて滅多にいませんからね。どんどん入社してもらって、どんどん辞めてもらわないと、いい人に出会えないではないですか・・。
今でもそうですよ。いつも人は余裕を持っておくようにしています。
しかし、スタッフに言わせると「人が足りない」のだそうです。
余裕を持っていれても、人を入れると仕事が増えちゃうんですよ。
これは、本当に不思議なんですが、事実です。
きっと、この文章をお読みの他の経営者の方々で経験のある方はうなずいていただけると思います。

どうも世の中の常識って逆なんですよ。

たとえば、別に仕事もないのに、私がある制度について勉強していたことがあります。
そうすると、その勉強したことを頼みにくる人って多いんですよ。

当社が初めてコンサルティングの実験を終えて、本格的な参入を決めたときは凄かったですね。
朝礼で「今日から、既存のお客さま以外にもコンサル業を行う。これ料金表ね!」と宣言して1時間後、電話が入って、午後に面談して三ヶ月の個別コンサルを受注しましたからね。
そして、いつもこんなんですよ。

理屈はわかりませんが、人を入れるとなぜか仕事がついてくるんです。
100%の保証はできませんが、私や私の周りの経験ではそうです。

さて、そんな精神世界的な思考では経営なんてできませんから、ビジネスモデルとして考えてみましょう。

ビジネスモデルを作った場合、当然、経営計画書というものを作ると思います。
計画書を作れば、一人では仕事ができないことなんてすぐにわかりますよね。

だから、結局雇うことになるはずです。
自分一人で何でもやっていたら効率悪いですもの。

私なんてキップも買えない、自分の予定もわからないような手のかかる男です。でも、それくらいではないと今の業務はこなせません。
そして、私にしかできないことに専念できるからキャッシュが生まれるんです。

さて、Aさんには選択が3つあります。
・このままでいる
・ちょっとだけ変える(一人くらい雇用してみる)
・大きく変える(どうせ、気の合うやつはすぐに見つからないと悟ってガンガン雇用する。そして、自分は営業に専念する)。

この3つです。
どれも選びますか?
この3つの選択で5年後がどうなっているかよーーく考えて選択してください。

極端なことを言うと「得意なことはやらない」というのが経営者の仕事ですから・・・。

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